戦略村計画(読み)せんりゃくむらけいかく(英語表記)Strategic Hamlet Program

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

戦略村計画
せんりゃくむらけいかく
Strategic Hamlet Program

ベトナム戦争初期の 1962~63年に実施された,ベトナム共和国(南ベトナム)のゲリラ掃討計画。1948年にマレー半島で起こったマラヤ共産党の反乱を鎮圧したイギリス軍の戦略村作戦を参考に,アメリカ合衆国が立案した(→ステーリー=テーラー計画)。南ベトナムの農村部に浸透する南ベトナム解放民族戦線のゲリラの補給源を断ち,孤立化させる戦略(→ゲリラ戦)。政府が農村を再編し,自衛能力をもつ要塞化した小村をつくって農民をここに強制的に移住させ,ゲリラの討伐,治安の確保に努めようとした。1962年9月,ゴ・ジン・ジェム政府は全農村人口の 3分の1以上が戦略村に組織されたと発表した。しかし公称 8500に上る戦略村の実数は 1500ヵ村程度であり,南ベトナム解放民族戦線およびベトナム民主共和国(北ベトナム)軍の攻撃を阻止することはできなかった。そのうえ農民の強制的移住や統制は農民の不評を買い,農村大衆の離反を招き,計画は失敗した。

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