ある人の属する戸籍の全部を写しとったもの。人の身分関係を公に証明する重要な文書であり、だれでも一定の手数料を納めて交付を請求できるのが原則であるが、他方、個人の人権、プライバシーを侵すおそれもあるので、戸籍法では、その交付を請求できる者と場合とについて慎重な配慮を加えている。すなわち、戸籍に記載されている者またはその配偶者、直系尊属・卑属が請求する場合、公務員・弁護士・司法書士などが職務上請求する場合を除き、請求者は請求事由を明示しなければならないものとするとともに、その請求が不当な目的によることが明らかな場合には、交付を拒否できることとしている(戸籍法10条・10条の2)。なお、戸籍のコンピュータ化に伴い、戸籍謄本は、正式には、「全部事項証明書」とよばれる。
なお、2019年(令和1)5月24日に成立した戸籍法の一部を改正する法律では、各種の社会保障手続でマイナンバー制度を利用することにより、戸籍謄抄本の提出を省略することができるとした。また、戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付を不要とし、さらに、本籍地以外での戸籍謄抄本の発行を可能とした(2024年運用開始予定)。
[高橋康之・野澤正充 2021年5月21日]
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(浦野広明 立正大学教授・税理士 / 2007年)
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…内容の全部を写している点において,内容の一部を写しているにとどまる抄本と異なる。戸籍謄本(戸籍法10条),登記簿謄本(不動産登記法21条,21条の2,商業登記法11条),公正証書謄本(公証人法51条),訴訟記録の謄本(民事訴訟法91条)などがその例である。また手形の謄本(手形法67条。…
※「戸籍謄本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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