謄本(読み)トウホン

デジタル大辞泉 「謄本」の意味・読み・例文・類語

とう‐ほん【謄本】

原本内容全部写して作った文書戸籍謄本登記簿謄本など。→抄本
戸籍謄本のこと。
[類語]抄本

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精選版 日本国語大辞典 「謄本」の意味・読み・例文・類語

とう‐ほん【謄本】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 原本の内容を完全に謄写した文書・書面。戸籍謄本・登記簿謄本・公正証書謄本・手形謄本・訴訟記録の謄本などがある。
    1. [初出の実例]「久しくこれを学びたれば、この謄本(〈注〉ウツシ)を読ましめたり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉四)
    2. [その他の文献]〔山谷題跋‐自臨東坡和陶淵明詩文〕
  3. 特に、戸籍謄本をいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「謄本」の意味・わかりやすい解説

謄本 (とうほん)

文書の原本の内容を同一の文字符号により全部写したもので,原本の内容を証明するためにつくられる書面。内容の全部を写している点において,内容の一部を写しているにとどまる抄本と異なる。戸籍謄本(戸籍法10条),登記簿謄本(不動産登記法21条,21条の2,商業登記法11条),公正証書謄本(公証人法51条),訴訟記録の謄本(民事訴訟法91条)などがその例である。また手形の謄本(手形法67条。これを利用して裏書または手形保証ができる)などの例もある。刑事訴訟においては,謄本は,原本の存在および同一性が証明されない限り,原本と同一の証拠能力は認められないが,この証明がされれば,認証の有無にかかわらず,原本と同一の証拠能力が認められる。なお判決正本,公正証書正本のように,法律の規定がある場合に権限ある者が原本に基づいて作成する謄本をとくに正本という(民事訴訟法255条2項,公証人法47条等)。正本は外部においては原本と同一の効力をもって通用する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「謄本」の意味・わかりやすい解説

謄本
とうほん

原本の内容の全体を原本そのままに完全に写した文書をいう。通常は、公務員が原本に基づいて職務上作成したものをさし、さらに、その内容が原本と相違ない旨を公証する文言が付記される場合が多い。これを認証ある謄本または単に認証謄本という。その例として、戸籍謄本(戸籍法10条・10条の2)、登記簿等の謄本(不動産登記法119条~121条)、訴訟記録の謄本(民事訴訟法91条)などがある。

[髙木敬一]

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普及版 字通 「謄本」の読み・字形・画数・意味

【謄本】とうほん

謄写の本。宋・黄庭堅〔自ら東坡の陶淵明の詩に和するを臨(書)せるに跋す〕此の書~にして其の本を(うしな)ひ、復た翹(げうさう)より借り來り、未だ本せず。輒(すなは)ち~盜去賣與せられたるも、盜事覺(あら)はれ、取して之れを得たり。

字通「謄」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「謄本」の意味・わかりやすい解説

謄本【とうほん】

原本の内容を同一の文字・符号などにより全部にわたって完全に転写した文書。原本の内容を証明するために作成される。戸籍謄本,登記簿謄本など。公務員が職務上作成し,原本と相違ない旨の証明を付したものは認証謄本と呼ばれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「謄本」の意味・わかりやすい解説

謄本
とうほん
copy; Abschrift; copie

文書の原本の内容を証明するために,原本の内容を同一の文字,符号で全部かつ完全に謄写した書面。戸籍謄本,登記簿謄本,公正証書謄本,手形謄本,訴訟記録の謄本などがその例である。

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世界大百科事典(旧版)内の謄本の言及

【抄本】より

…戸籍抄本(戸籍法10条),登記簿抄本(不動産登記法21条,21条の2,商業登記法11条),訴訟記録の抄本(民事訴訟法91条3項)などがその例である。謄本が原本の内容の全部を証明するために作成されるのに対し,抄本はその内容の一部を証明するために作成される点で両者は異なるが,その他の点については,抄本も謄本とほぼ同様である。【清水 湛】。…

※「謄本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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