精選版 日本国語大辞典 「手斧始」の意味・読み・例文・類語
ちょうな‐はじめてうな‥【手斧始】
- 〘 名詞 〙
- ① 大工が新たな建築にとりかかったはじめの日に行なう儀式。おのはじめ。ちょうながけ。
- [初出の実例]「早旦参一条殿、有小堂手斧始、午時也」(出典:中右記‐承徳元年(1097)一二月二日)
- ② 大工が新年に行なう仕事始めの儀式。ちょうのはじめ。《 季語・新年 》
- [初出の実例]「鍛冶に鞴祭り、糀屋に室祭り、紺屋に愛染祭り、大工の手斧始など春の始めにいとなみ侍り」(出典:諸国風俗問状答(19C前)越後国長岡領風俗問状答)
- ③ 和船の数ある建造儀礼のうちの最初のもの。今日の起工式にあたる。吉日を選び、洗米・肴・酒を供え、棟梁が曲尺をあてて手斧を打った後、拍手・祈念して秘歌・祭文を唱えて終わるが、船大工の流派や船の大小・種類により、必ずしも一様ではない。