打ち出だす(読み)ウチイダス

デジタル大辞泉 「打ち出だす」の意味・読み・例文・類語

うち‐いだ・す【打ち出だす】

[動サ四]
出す。特に、出衣いだしぎぬをする。
「衣のつま重なりて―・したるは」〈栄花・わかばえ〉
口に出して言う。言い出す。
「露は別れの涙なるべし、といふことを頭の中将の―・し給へれば」〈・一六一〉
打ち鍛えて作り出す。
雌雄の二剣を―・せり」〈太平記・一三〉
打つような手つきで物を出す。
「呪文唱へて打てば、何なりとも欲しい物を―・すが奇特ぢゃ」〈虎明狂・宝の槌

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精選版 日本国語大辞典 「打ち出だす」の意味・読み・例文・類語

うち‐いだ・す【打出】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
  2. ( 「うち」は接頭語 ) ひょいと出す。何かを出す。
  3. ( 「うち」は接頭語 ) 特に、出衣(いだしぎぬ)をする。うちいず。
    1. [初出の実例]「『これが心見解(みと)き給ふ人ありや』とてうちいだし給へば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
  4. ( 「うち」は接頭語 ) ひょいと口に出す。また、声をあげて唱える。うちいず。
    1. [初出の実例]「すずろなるこゑをうち出し給へば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
  5. ( 「うち」は接頭語 ) 軍勢を進撃させる。
    1. [初出の実例]「ニンジュヲ vchijdasu(ウチイダス)〈訳〉戦闘のために兵を繰り出す」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  6. ( 「うち」は「打つ」意 ) 鍛えたり、うちつけたりして作り上げる。
    1. [初出の実例]「雌雄の二剣を打出せり」(出典:太平記(14C後)一三)
  7. ( 「うち」は「打つ」意 ) 打つような動作をして物を出す。
    1. [初出の実例]「まづ打出の小槌を濫妨し〈略〉まづまづ飯をうちいだし」(出典:御伽草子・一寸法師(室町末))
  8. ( 「うち」は「打つ」意 ) 打ちたたいて追い出す。
    1. [初出の実例]「もったる、はうきで、うちいたす」(出典:説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)一三)
  9. ( 「うち」は「撃つ」意 ) 銃砲などを撃って弾丸を飛び出させる。
    1. [初出の実例]「大砲数発打出(ウチイダ)して」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉五)

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