打ち拉ぐ(読み)ウチヒシグ

デジタル大辞泉 「打ち拉ぐ」の意味・読み・例文・類語

うち‐ひし・ぐ【打ち拉ぐ】

[動ガ五(四)]
《主に受身の形で用いる》精神的な衝撃などで気力を完全になくさせる。意気消沈させる。「悲しみに―・がれる」
武器などで相手をたたきのめす。
「近付く敵あらば只一打に―・がんと」〈太平記・三二〉

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精選版 日本国語大辞典 「打ち拉ぐ」の意味・読み・例文・類語

うち‐ひし・ぐ【打拉】

  1. 〘 他動詞 ガ五(四) 〙
  2. 物を打ち叩いて、砕きつぶす。
    1. [初出の実例]「楯の板も微塵にうちひしかれ」(出典:室町殿日記(1602頃)八)
  3. 武器で打ちかかってたたきつぶす。
    1. [初出の実例]「近付く敵あらば只一打に打ひしがんと」(出典:太平記(14C後)三二)
  4. ( 多く、受身の助動詞「れる」を伴って用いる ) 意欲や気力などをくじく。
    1. [初出の実例]「春吉が、打ちひしがれるやうな倫理的な苦悩に悶(もだ)える有様を」(出典小魚の心(1927)〈真杉静枝〉二)
  5. ( 「うち」は接頭語 ) 事柄が全く成り立たないようにする。
    1. [初出の実例]「人あきなひいたすもの候はは、聞たたし、うちひしくへし」(出典:結城氏新法度(1556)二条)

うち‐ひさ・ぐ【打拉】

  1. 〘 他動詞 ガ四段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 ) =うちひしぐ(打拉)
    1. [初出の実例]「ひとり子の〈略〉俄にくづれうめられて、あとかたなくひらにうちひさかれて」(出典:兼良本方丈記(1212))

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