精選版 日本国語大辞典 「微塵」の意味・読み・例文・類語
み‐じん ‥ヂン【微塵】
[1] 〘名〙
① 仏語。物質を分割した最小単位である極微(ごくみ)の一つを中心にして、上下四方の六方から極微が結合したきわめて小さい単位。転じて、きわめて微細なもの。
※性霊集‐六(835頃)天長皇帝為故中務卿親王講法花経願文「性蓮乍発、顕二微塵之心仏一」
② こまかいちり。
※霊異記(810‐824)下「九間の大堂仆るること微塵の如く」
※太平記(14C後)三二「飇(つじかぜ)微塵(ミヂン)を吹立たるに異ならず」
③ (形動) 個体が砕けて非常にこまかくなること。また、そのものやそのさま。
※名語記(1275)五「大地みな微塵となる也」
④ 転じて、数が多いこと。非常に多数。
⑤ (形動) ③から転じて、めちゃくちゃになること。さんざんなめにあうこと。また、そのさま。
※談義本・根無草(1763‐69)後「背中の火熖を微塵(ミジン)にして」
[2] 〘副〙 (下に否定の語を伴って用いる) すこしも。けっして。微塵も。
※仮名草子・都風俗鑑(1681)一「おもくれたる事には、みぢんけがなく」
び‐じん ‥ヂン【微塵】
〘名〙 細かいちり。転じて、大変細かいこと。また、そのもの。みじん。
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