打寄せる(読み)ウチヨセル

デジタル大辞泉 「打寄せる」の意味・読み・例文・類語

うち‐よ・せる【打(ち)寄せる】

[動サ下一][文]うちよ・す[サ下二]
波や多くの人が重なり合うように寄せてくる。押し寄せる。「岸壁高波が―・せる」「敵の大軍が―・せる」
波が物を岸の方に運ぶ。「―・せられた流木
《「うち」は馬を進める意》馬に乗って近づく。
「人高き馬に乗りて―・せたりけるに」〈今昔三一・一七〉
[類語]寄せる押し寄せる・寄せては返す・うねる荒れ狂う迫る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打寄せる」の意味・読み・例文・類語

うち‐よ・せる【打寄】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うちよ・す 〘 自動詞 サ行下二段活用 〙
    1. 波が岸に寄せる。
      1. [初出の実例]「河風のすずしくもあるかうちよする浪とともにや秋はたつらん〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・一七〇)
    2. ( 「うち」は接頭語 ) 押し寄せる。攻め寄せる。
      1. [初出の実例]「蛇(じゃ)の、尾を水より指(さ)し上(あげ)て、恒世が立てる方様に拍(うち)寄せける」(出典今昔物語集(1120頃か)二三)
    3. ( 「うち」は馬をむちで打つ意 ) 馬に乗って近づく。
      1. [初出の実例]「入道殿は、御むまをおしかへして、帥殿の御うなじのもとにいとちかううちよせさせ給て」(出典:大鏡(12C前)五)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うちよ・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 (波が物を)岸の方に運ぶ。
    1. [初出の実例]「十郎蔵人行家、緒方三郎維義が船共、浦々島々に打よせられて」(出典:平家物語(13C前)一二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android