打成一片(読み)たじょういっぺん

精選版 日本国語大辞典 「打成一片」の意味・読み・例文・類語

たじょう‐いっぺん タジャウ‥【打成一片】

〘名〙 (形動) (「だじょういっぺん」とも)
仏語一つになること。一つにすること。禅で、万物一体となる境地を体得すること。また、そのさま。
伝光録(1299‐1302頃)投子和尚「仏祖命脈通じてはじめなくをはりなし。はるかに三世を超越しまのあたり師資たがはず。悉くこれ打常一片なり」 〔無門関
② (転じて) 他を顧みないで一つの事柄だけをつきつめること。一心不乱であること。また、そのさま。
御伽草子鴉鷺合戦物語(室町中)「だじゃう一ぺんに念仏申て、終に山中を出ず」
日葡辞書(1603‐04)「Tajǒ(タジャウ) ippẽni(イッペンニ) ガクモンヲ スル」

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デジタル大辞泉 「打成一片」の意味・読み・例文・類語

たじょう‐いっぺん〔タジヤウ‐〕【打成一片】

禅宗で、一切の執着を捨てて座禅に専念し、対象と心とが平等一体になること。
他を顧みず、一つのことをつきつめていくこと。一心不乱。
おのれが―にて主君謀叛を止めたらば」〈浄・河内国姥火〉

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