デジタル大辞泉 「打掛ける」の意味・読み・例文・類語 うち‐か・ける【打(ち)掛ける/打(ち)懸ける】 [動カ下一][文]うちか・く[カ下二]1 物をひっかけて下げる。また、ひょいとのせる。「上着をいすの背に―・ける」2 軽く腰を掛ける。ちょっともたせかける。「捨舟の端に腰―・けて瀬戸内海を眺めた時」〈虚子・俳諧師〉3 (「撃ち掛ける」とも書く)相手に向けて銃砲などを発射する。「鉄砲を―・ける」4 打とうとする。途中まで打つ。「ボールを―・けて止める」5 打ちおろしてひっかける。「舟のうちより熊手をもって…二三度まで―・けけるを」〈平家・一一〉6 浴びせかける。「(酒ヲ)家あるじに、頭より―・けて」〈宇治拾遺・三〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「打掛ける」の意味・読み・例文・類語 うち‐か・ける【打掛・打懸】 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]うちか・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙[ 一 ] ( 「うち」は接頭語 )① (衣類などを)ひょいとひっかける。ひょいと乗せる。[初出の実例]「綿もなき 布肩衣(ぬのかたぎぬ)の 海松(みる)のごと わわけさがれる 襤褸(かかふ)のみ 肩に打懸(うちかけ)」(出典:万葉集(8C後)五・八九二)② (手や体を)ひょいともたせかける。(腰を)下ろす。[初出の実例]「大御神たち 船の舳(へ)に 御手打掛(うちかけ)て 墨縄を 延(は)へたる如く」(出典:万葉集(8C後)五・八九四)「とある木の根に腰うちかけ」(出典:浄瑠璃・嫗山姥(1712頃)五)[ 二 ] ( 「うち」は「打つ」の意 )① 打ち下ろしてひっかける。[初出の実例]「二三度までうちかけけるを」(出典:平家物語(13C前)一一)② (相手を目がけて武器を)打ち下ろす。[初出の実例]「いづくに刀をうちかけて」(出典:幸若・一満箱王(室町末‐近世初))③ (相手に鉄砲や石などを)飛ばす。発射する。[初出の実例]「ツブテヲ vchicaquru(ウチカクル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))④ 浴びせかける。ふりかける。[初出の実例]「住吉の岸ともいはじおきつ浪猶うちかけようらはなくとも〈藤原元輔〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑一・一〇九六) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例