指し図(読み)さしず

精選版 日本国語大辞典 「指し図」の意味・読み・例文・類語

さし‐ず‥ヅ【指図・差図】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 家屋の設計図。また、地形や構造を描いた絵図面。地図。見取図
    1. [初出の実例]「左府詣慈徳寺給、候御共、会日指図事奉仕」(出典:権記‐長保元年(999)八月一三日)
    2. 「いくらも差図(サシヅ)をかきて、家作るべきあらましをす」(出典:発心集(1216頃か)五)
  3. ( ━する ) 物事の方法、順序、配置などを指示すること。指揮すること。また、その指示・指揮。命令。下知(げち)
    1. [初出の実例]「併治少定而指図可候間、其通無御油断仰付尤存候」(出典:島津家文書‐(慶長二年)(1597)七月九日・大谷吉継書状)
    2. 「巡査は火消しを指し図して」(出典:日本読本(1887)〈新保磐次〉四)
  4. ( ━する ) 指定すること。名ざしすること。
    1. [初出の実例]「かづらきさまをさし図(ヅ)して、けふよりこのお女良一代は外へかはしませぬ」(出典:浮世草子・好色盛衰記(1688)一)
  5. ( ━する ) 見つもり。推量。取沙汰。
    1. [初出の実例]「表具切に売りける程に、大分の金銀とりて家栄へ五百貫目と脇から指図(サシヅ)違ひなし」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)三)
  6. ( ━する ) 証券上の権利者が、自分に代わるある者を証券上の権利者に指定する行為。
    1. [初出の実例]「支払を受け又は之を受くる者を指図する者の名称」(出典:手形法(1932)一条)
  7. 織物の地合図。多く、紋織物の紋揚げに用いられる図をいう。意匠図

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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