染文様に対し,〈織〉によって文様をあらわした織物の総称。英語のfigured fabricに相当する語意で,綾,緞子(どんす),綸子(りんず),錦,唐織,厚板(あついた),金襴,繻珍(しゆちん)などがこれに属する。大別すると綾,緞子,綸子のように,地組織をなす経緯糸と,文様となる経あるいは緯糸が,同一の糸によって組織されるもの,すなわち文様が地合いと異組織であらわされているものと,錦,唐織などのように,地組織をなす経緯糸に,別の彩糸を加え,それらの彩糸によって文様をあらわしたものとがある。前者は綜絖枚数の少ない高機(たかばた)によっても製織可能であるが,後者はさらに複雑な空引(そらひき)機やジャカードのような織機を必要とする。紋織物が以上のような紋機によって織製される場合,普通一定の窠(か)間幅(文幅)と文丈があり,その1単位の文様が反復・連続して斉一に織り表されることを原則とする。しかし紋上げ機構のない原始織機で,綜絖を使わず,絵緯(えぬき)を織り込むさい,そのつど経糸を篦(へら)ですくって製織した場合には,一定のパターンのくり返しのない紋織も可能で,インドネシアの島々ではそうした紋織物もつくられている。素材は絹に限らず木綿,麻,毛およびその交織,化学繊維がある。
執筆者:小笠原 小枝
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種々な組織を組み合わせ、また色糸を使用して複雑な紋柄を織り出した織物の総称。一つの柄模様が経緯(たてよこ)糸とも40本以上数千本のものもあり、多くは色糸を使って、織物表面に美しい柄模様を出したもので、別名ジャカード織物ともいう。たとえば紋羽二重(はぶたえ)、紋お召(めし)、紋縮緬(ちりめん)、緞子(どんす)、朱珍(しゅちん)、金襴(きんらん)、ダマスク、ネクタイ地など種類が多い。昔わが国では空引機(そらひきはた)(中国より伝来、明治期に衰退した)で織られ、非常に芸術性の高度なものもあるが、明治期に入って京都西陣(にしじん)にジャカード機がフランスより導入され、高価であった紋織物も庶民のものとなった。
[並木 覚]
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