六訂版 家庭医学大全科 「指骨骨折」の解説
指骨骨折
しこつこっせつ
Finger fracture
(運動器系の病気(外傷を含む))
どんな外傷か
手指はスポーツや日常の動きのなかでいろいろな外力を受けることが多く、骨折の起こりやすい部位です。ほとんどの指骨骨折は、多少のずれがあっても
見落としやすい外傷と合併損傷
不全骨折(いわゆる「ひび」)は一方向のX線写真では見落とすことがあります。多方向のX線写真をとってもはっきりしない場合は、数日後にX線写真を再撮影するとはっきりします。
骨の長さが伸びる成長軟骨板(
症状の現れ方
指のはれ、痛み、皮下出血が現れます。完全骨折でずれが大きい場合は、変形や異常な動きがみられます。
検査と診断
X線検査が骨折の部位や骨折型、ずれの有無を確認するために必要です。はれ、痛み、圧痛、変形など局所の症状とX線写真で診断は容易です。
治療の方法
ほとんどの場合、保存療法が行われます。骨片のずれは徒手整復しますが、完全でなくても問題はありません。しかし、成長軟骨板にかかる骨端離開や関節内骨折では、正確な骨片の整復が必要で、さらに固定中のずれの再発に注意します。
整復が困難だったり固定性が不良の場合は、手術で整復したり鋼線で固定します。また、指を曲げた時に骨折した指が他の指にかぶさってしまう
固定はアルミニウムやプラスチックの副木固定が2~4週間行われます。副木固定中の再度のずれによる指尖交叉を防ぐため、副木固定は1週間以内にして、その後は隣の骨折していない指と一緒にテーピングして、一緒に曲げ伸ばし運動を開始するバディテーピングも多く行われます。
応急処置はどうするか
手から指先まで副木固定を行います。段ボール紙で代用できます。
関連項目
鈴木 克侍
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報