挿頭抄(読み)カザシショウ

デジタル大辞泉 「挿頭抄」の意味・読み・例文・類語

かざししょう〔かざしセウ〕【挿頭抄】

江戸中期の語学書。3巻。富士谷成章ふじたになりあきら著。明和4年(1767)成立。文首・語頭にあって付属的に下へ係っていく、連用・連体修飾語代名詞感動詞接続詞接頭語などを挿頭かざしと呼び、それぞれについて解説・研究した書。よそい挿頭脚結あゆいの品詞分類、国語史を上古・中古・中ころ・近き世に分けた時代区分や、和歌口語訳など、後世に与えた影響は大きい。→脚結抄あゆいしょう

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精選版 日本国語大辞典 「挿頭抄」の意味・読み・例文・類語

かざししょうかざしセウ【挿頭抄】

  1. 江戸中期の語学書。三巻。富士谷成章(ふじたになりあきら)著。明和四年(一七六七)成立。国語語彙を名、装(よそい)、挿頭(かざし)脚結(あゆい)の四品詞に分類したうち、代名詞、副詞、感動詞、接続詞、接頭語などを意味する挿頭(かざし)を解説したもの。二二〇余の語を五十音順に配列して、口語訳、意味、用法を記し、例歌を掲げる。かざし抄。→脚結抄(あゆいしょう)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「挿頭抄」の意味・わかりやすい解説

挿頭抄
かざししょう

富士谷成章著。全3巻。明和4 (1767) 年成立。文法書。「名 (な) ,装 (よそい) ,脚結 (あゆい) 」とともに彼の四大品詞分類の一つを形成する「挿頭」を解説したもの。だいたいいまの代名詞,接続詞,副詞,感動詞,接頭辞などに相当する。該当する 200あまりの語を五十音順にあげ,それぞれに適切な口語訳をつけ,その意味,用法を述べ,部分的に口語訳をつけた証歌をひいている。

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