デジタル大辞泉 「捩じる」の意味・読み・例文・類語 ね・じる〔ねぢる〕【×捩じる/▽捻じる/×拗じる】 [動ザ上一][文]ね・づ[ダ上二]1 「ねじ(捩)る」に同じ。「手鍋の下の瓦斯を―・じた」〈三重吉・桑の実〉「鳴かぬ雁の頸を―・ぢて殺して」〈今昔・一〇・一二〉2 くねり曲がる。ねじれる。「柱ガ―・ヂタ」〈日葡〉[補説]現在は、単独で用いられることは少なく、「ねじ切る」「ねじ込む」のように複合動詞の形で用いられる。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「捩じる」の意味・読み・例文・類語 ね・じるねぢる【捩・捻・拗】 [ 1 ] 〘 他動詞 ザ上一(ダ上一) 〙 [ 文語形 ]ね・づ 〘 他動詞 ダ上二段活用 〙① =ねじる(捩)[ 一 ]①〔五段(四段)動詞〕[初出の実例]「不鳴ぬ雁の頸をねぢて」(出典:今昔物語集(1120頃か)一〇)② =ねじる(捩)[ 一 ]②〔五段(四段)動詞〕[初出の実例]「瓦斯を捩ぢた」(出典:桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉一七)③ =ねじる(捩)[ 一 ]③〔五段(四段)動詞〕[初出の実例]「見いだしたるまなこにかどをたててひとねぢねぢたるいきどをりには」(出典:評判記・役者評判蚰蜒(1674)藤田小平次)[ 2 ] 〘 自動詞 ダ上一 〙 [ 文語形 ]ね・づ 〘 自動詞 ダ上二段活用 〙 くねり曲がる。ねじくれる。[初出の実例]「ハシラガ negita(ネヂタ)〈訳〉木の柱が曲がった。または、ねじれた」(出典:日葡辞書(1603‐04)) ねじ・るねぢる【捩・捻・拗】 [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙① 棒状や糸状など細長いものの両端を持って、互いに逆の方向に回す。また、一端が固定された他の一端をにぎって、無理に回す。ひねる。[初出の実例]「ねぢり殺さうの、なげすてうのとどしめけども」(出典:仮名草子・可笑記(1642)一)② 回転するようにつくったスイッチや栓などを右または左に回す。また、螺旋のついたものをひねって動かす。ひねる。[初出の実例]「電燈のスヰッチを捩(ネヂ)った」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉二八)③ 盛んに苦情や文句をいいたてる。なじり責める。[初出の実例]「反対(あべこべ)に捻(ネヂ)られ、無念にはおもへど」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉五五)[ 2 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 =ねじれる(捩)②[初出の実例]「狼の性はねぢってまがりもつれてまっすぐにないぞ」(出典:玉塵抄(1563)二七)[ 3 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ⇒ねじれる(捩) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例