デジタル大辞泉 「瓦斯」の意味・読み・例文・類語 ガス【瓦斯】 1 気体。「ガス状星雲」2 燃料用の気体。特に、都市ガスのこと。「ガスを引く」「ガス管」3 「毒ガス」の略。「ガスマスク」4 濃い霧。「山頂付近にガスがかかる」5 ガソリンのこと。「ガス欠」6 「ガス焜炉こんろ」の略。「鍋をガスにかける」7 「ガス糸」の略。8 おなら。屁へ。[類語](1)気体・液体・固体・固形・かたまり・剛体・弾性体・溶液・水溶液・粘液・廃液・乳液・原液・薬液・液・流動物・流動体・流体・液汁・汁液・しる・つゆ・リキッド(3)雲・霧・霞・靄・スモッグ・光化学スモッグ・朝靄・夕靄・夕煙・雲霞・朝霞・夕霞・春霞・煙霞 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「瓦斯」の意味・読み・例文・類語 ガス【瓦斯】 〘 名詞 〙 ( [オランダ語・英語] gas 「瓦斯」はその音訳字 )① (広く)気体状の物質。特に、爆発の危険性や毒性のあるものについていう場合が多い。[初出の実例]「又有二瓦斯(ガス)一、貯二植液於玻瓈壜一、密二塞其口一、瓦斯強欲二散逸一、壜往々破裂」(出典:植学啓原(1833)三)「諳模尼亜(アムモニア)の本相は瓦斯なり」(出典:舎密開宗(1837‐47)内)② 石炭ガス、天然ガス、プロパンガス等の燃料用ガス。特に、ガス会社からガス管によって各戸に供給される都市ガスをいう。[初出の実例]「水道や瓦斯(ガス)のない不便さに」(出典:雪後(1926)〈梶井基次郎〉二)③ 「どくガス(毒━)」の略。「ガスマスク」「ガス室」④ 霧。(イ) (北海道の海岸地方で)海の方からやってくる濃い霧。《 季語・夏 》[初出の実例]「その間に、ガス深い釧路まで行って見たくなった」(出典:断橋(1911)〈岩野泡鳴〉一一)(ロ) 海にかかる霧。海霧(かいむ)。[初出の実例]「重い冷たい潮霧(ガス)が野火(のび)の煙のやうに濛々と南に走って」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)(ハ) 山にかかる霧。おもに登山者がいう語。[初出の実例]「富士山を見に来なすったんだらうが、このガスでは、今日はもう見えないよ」(出典:山峡風物誌(1948)〈井伏鱒二〉)⑤ 消化器内にたまった気体。おなら。屁(へ)。[初出の実例]「そのうち胃の処が瓦斯か何かで一杯になった」(出典:満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石〉一)⑥ 「ガスとう(━灯)」の略。[初出の実例]「夜は三十六万の瓦斯(ガス)の燈火燿きて」(出典:頭書大全世界国尽(1869)〈福沢諭吉〉三)⑦ 「ガスいと(━糸)」の略。[初出の実例]「なにしろ瓦斯だって糸が交(はい)ってるから柄も好いし二両は出るだらう」(出典:破垣(1901)〈内田魯庵〉一)⑧ 「ガスこんろ(━焜炉)」の略。[初出の実例]「お茶を入れるためのお湯を瓦斯にかけた」(出典:桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉二四)⑨ ( 爆発するところから ) 怒りのことば。しかることば。こごと。[初出の実例]「叱言(ガス)の出ないうちに、早く逃亡(かけおち)すリャア宜かった」(出典:落語・蛇の目の傘(1900)〈初代三遊亭金馬〉)⑩ ガソリンをいう。「ガス欠(けつ)」[初出の実例]「車に乗っていず、ガスを買いそうにもない俺に向って」(出典:黒い環(1967)〈石原慎太郎〉戸倉)瓦斯の語誌( 1 )ベルギーの科学者ファン=ヘルモント(一五七九‐一六四四)の造語で、ギリシア語のカオス(khaos 混沌の意)を基にしたといわれている。( 2 )日本への紹介は、江戸時代末期の蘭学者による。最も早い時期の例としては挙例の「植学啓原」「舎密開宗」があり、大気とは区別される気体としてとらえられている。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by