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排耶書 はいやしょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

排耶書
はいやしょ

江戸時代,キリシタン宗門の排撃を意図して執筆された著述をいう。キリシタン禁圧の法令などはこれに含まない。鎖国以前には,日本人転びバテレンのイルマン不干斎ハビアン (伝道書『妙貞問答』の著者) の『破提宇子 (はだいうす) 』 (1620) ,ポルトガル人転びバテレンのクリストバン・フェレイラ (日本名沢野忠庵) の『顕偽録』 (36) があり,鎖国時代には,南禅寺雪窓宗崔の『対治邪執 (宗) 論』 (48) ,鈴木正三の『破吉利支丹』 (62) ,浅井了意の『鬼理志端破却論伝』 (61~73) ,森儼塾の『護法資治論』 (1707) ,三浦安貞 (梅園) の『五月雨抄』 (84) ,安井息軒の『弁妄』,大橋訥庵の『闢邪小言』 (1852作,57刊) その他がある。仏教,儒教の立場からの排撃を行い,新井白石の『西洋紀聞』 (1715) もまた儒教的立場からの評論を含む。開国以来のものには,水戸藩主徳川斉昭編『息距編』 (1860) ,杞憂道人すなわち僧徹定の『闢邪管見録』 (61,明の『闢邪集』を付す) ,深慨隠士 (僧超然〈ちょうねん〉か) の『斥邪漫筆』 (64) ,『寒更霰話』 (67/8) がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

はいやしょ【排耶書】

キリスト教に論駁を加えた日本近世の書物の総称。慶長年間(1596‐1615)前半にまず《伴天連(バテレン)記》と《吉利支丹(キリシタン)由来記》が著されたが,教理に対する反論は不十分でキリシタン攻撃も穏やかであった。1620年(元和6)元イエズス会会員の背教者ハビアンが《破提宇子(はだいうす)》を,またさらに転び伴天連のフェレイラ(沢野忠庵)が《顕偽録》を著すに及んで,従来の教理面の弱点が補強され,両書はその後に現れた排耶書に理論的根拠を与えた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

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