望遠鏡、顕微鏡などの肉眼で使用する光学器械において、肉眼に近い側に置かれる光学系。接眼鏡ともいう。対物レンズによって光線束の開口角または口径を小さくしたあとで、倍率をあげる働きをする。普通2枚の凸レンズからなる色消しレンズになっている。有名なものにホイヘンス接眼鏡とラムスデン接眼鏡とがある。2枚のレンズのうち対物レンズの側にあるものを視野レンズという。像の形成には大きな作用をしないが、対物レンズによって生じた像の近くに置き、光線束の光軸に対する広がりの角を小さくし、後側の対眼レンズに入るのを容易にする。この作用により、前側のレンズのない場合に比べ視野を広くする効果があるので、視野レンズといわれる。
接眼レンズ全体としての作用は、前側焦点の近くにある対物レンズによる実像を拡大して、無限遠または明視の距離において観察させる。接眼レンズの倍率は、接眼レンズの焦点距離をfeミリメートルとすると、250/feで与えられる。
[三宅和夫]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…顕微鏡や望遠鏡の対物レンズによる拡大または縮小した空中像,投影レンズによるスクリーン面への投影,写真レンズによるフィルム面への記録などである。しかし一部には拡大鏡や接眼レンズのように拡大した虚像を作ってその像を目の網膜に結ばせるものもある。レンズの結像性能を表す量に解像力や分解能がある。…
※「接眼レンズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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