ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケルナー」の意味・わかりやすい解説
ケルナー
Körner, Theodor
[没]1957.1.4. オーストリア,ウィーン
オーストリア陸軍将校,政治家。オーストリア第二共和国大統領(在任 1951~57)。オーストリア=ハンガリー帝国の軍大佐として第1次世界大戦に参戦。1915年参謀長となり,イタリア軍の攻撃を防いだ。1918年11月のオーストリア=ハンガリー帝国崩壊後は新生オーストリア第一共和国の陸軍監察長官に任命されたが,2年後に引退。オーストリア社会民主党に加わり,1925~34年ウィーン代表としてオーストリア連邦議会(上院)議員を務めた。1930年代初期,オーストリア政局が右傾化を強めるなか,ケルナーは社会民主党の武装自衛組織,共和国防衛同盟(シュッツブント)の軍事顧問として一貫して暴力的行為に異を唱え続けた。しかし 1934年2月にキリスト教社会党が権力を握ると,それらの活動を理由に投獄された。1938年3月のナチス・ドイツによるオーストリア併合(→アンシュルス)後はナチス政権へのかかわりを拒否。第2次世界大戦終結後,ソビエト連邦の占領軍当局によってウィーン市長に任命された。1951年5月オーストリア第二共和国の大統領に選出され,在任中に死亡した。
ケルナー
Körner, Wilhelm
[没]1925. ミラノ
ドイツの有機化学者。ベルギーのヘント大学で F.ケクレのもとに学び,助手をつとめたのち,ボン大学化学教授 (1867) ,ミラノ大学有機化学教授 (70) 。芳香族化合物の先駆的研究で知られ,ピラジン (69) ,アスパラギン (87) をはじめとして 126種の芳香族化合物の合成に成功した。
ケルナー
Körner, Karl Theodor
[没]1813.8.26. ガデブシュ近郊
ドイツの詩人。戯曲『ツリニー』 Zriny (1812) により文名を確立。対ナポレオン解放戦争の愛国詩人として活躍し,義勇軍に加わって戦死。死後父親の手によって編纂された詩集『琴と剣』 Leyer und Schwert (14) は,熱狂的に迎えられた。
ケルナー
Kerner, Justinus Andreas Christian
[没]1862.2.21. ワインスベルク
ドイツの詩人,神秘家。シュワーベン派に属するロマン主義詩人で,抒情的な民謡調の詩を多く書いたが,次第に神秘的傾向を示し,霊力,交霊などを信じ,その方面の著作もある。
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