生没年不詳。釈尊(しゃくそん)(釈迦(しゃか))十大弟子の一人。そのなかでもとくに代表的な3人の一人。原名はパーリ語でマハーカッサパMahā-Kassapa。大迦葉(だいかしょう)、迦葉ともいう。北インド、マガダ国の首都、王舎城(おうしゃじょう)の付近の富裕なバラモン(婆羅門)の家に生まれる。結婚したが夫婦相談のうえ、二人ともに出家した。釈尊開教の初期のころ弟子となり、その1週間後には悟りを開いて阿羅漢(あらかん)(供養(くよう)を受けるに値する者の意)となったとされる。そのとき自身の新しい袈裟(けさ)を釈尊にさしあげ、釈尊の古い袈裟をもらい受けて、その後つねにこれを着用し、そのうえ頭陀行(ずだぎょう)(厳しい苦行(くぎょう)的な生活)を守り続けたので、「頭陀第一」と褒めたたえられた。釈尊生存中にすでに彼の代理を務め、滅(めつ)後は事実上その後継者として教団を統括し、とくに釈尊の遺教を整理統合した第一結集(けつじゅう)(経典編纂(へんさん)会議)においては、議長役を務めた。
[森 祖道 2016年12月12日]
…目連が餓鬼道に落ちた母を救うために行った供養が盂蘭盆会(うらぼんえ)の起源になったといわれる。(3)摩訶迦葉(まかかしよう) パーリ語でマハーカッサパMahākassapa。頭陀(ずだ)第一。…
…大衆には,何のことか判らぬ。長老の摩訶迦葉(まかかしよう)だけが,にっこりとうなずく。仏陀は迦葉をほめ,印可を与えて,自分の正法眼蔵,涅槃(ねはん)妙心,実相無相,微妙の法門を,不立文字,教外別伝して,残りなく迦葉に付嘱すると宣言するのである。…
…だれもその意味を理解できない。長老の摩訶迦葉だけが,ひとり微笑する。釈迦は,我に正法眼蔵,涅槃妙心,実相無相,微妙の法門あり,不立文字,教外別伝,今,摩訶迦葉に付す,と言ったとするもの。…
…遺骸は信者たちの手で火葬され,遺骨は信者たちに分けられ,塔(ストゥーパ,舎利塔,仏塔)にまつられた。 弟子たちは最長老のマハーカッサパ(摩訶迦葉)を中心に集まって会議を開き,釈迦の遺言に従って,生前に説かれた教え(法)と制定された教団の規則(律)とを編集し入滅後のよりどころとして,教団の結束をはかった。これを結集(けつじゆう)と呼ぶ。…
※「摩訶迦葉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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