頭陀(読み)ズダ

デジタル大辞泉 「頭陀」の意味・読み・例文・類語

ずだ〔ヅダ〕【頭×陀/×杜多】

《〈梵〉dhūtaの音写仏語
衣食住に対する欲望を払いのけること。転じて、あらゆる煩悩ぼんのうを払い去って仏道を求めること。また、そのための修行
僧が修行のために托鉢たくはつして歩くこと。また、その僧。
頭陀袋」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「頭陀」の意味・読み・例文・類語

ずだヅダ【頭陀・杜多】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] dhūta の音訳。抖擻(とそう)と訳す。衣食住に対する欲望をはらいのける修行の意 ) 仏語。
  2. 生活規律として仏道修行のために定められたもので、一二を数え、十二頭陀行という。転じて、僧が食物を乞いながら行脚野宿などして仏道修行に励むこと。→十二頭陀(じゅうにずだ)
    1. [初出の実例]「其弟子衆亦皆苦行貴頭陀法」(出典顕戒論(820)中)
    2. 「仏の御弟子羅旬比丘は頭陀をすれども食物を得難く」(出典:康頼宝物集(1179頃)中)
  3. ( 転じて ) その僧。
    1. [初出の実例]「法花経しばしも保つ人、十方諸仏よろこびて、持戒づだにことならず」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)
  4. ずだぶくろ(頭陀袋)」の略。
    1. [初出の実例]「頭陀に入し五器一具、難波津の旅亭に捨しを破らず」(出典:俳諧・俳諧勧進牒(1691)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「頭陀」の意味・わかりやすい解説

頭陀
ずだ

煩悩(ぼんのう)を除去すること。いっさいの欲望を捨てて仏道を修行することをいう。パーリ語のドゥタdhuta、サンスクリット語のドゥータdhūtaの音写語。「洗い流すこと」「除き去ること」が原意。玄奘(げんじょう)は「杜多(ずだ)」と新訳。頭陀の修行徳目を「頭陀支(ずだし)」といい、パーリ系では13支、大乗系では12支をたてる。たとえば、〔1〕ぼろ布を綴(つづ)ってつくった衣(糞掃衣(ふんぞうえ))のみの着用、〔2〕托鉢(たくはつ)で得た食物でのみ食事をすること、〔3〕森林処に住むこと、などで、それらは仏道修行者の衣食住に関する最小限度の生活規定であった。頭陀の修行徳目を実践している僧を頭陀者といい、単に頭陀とも略す。また、行脚僧(あんぎゃそう)が首にかけている袋を頭陀袋という。

[阿部慈園]

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普及版 字通 「頭陀」の読み・字形・画数・意味

【頭陀】ずだ

托鉢。

字通「頭」の項目を見る

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