擬階奏(読み)ぎかいのそう

精選版 日本国語大辞典 「擬階奏」の意味・読み・例文・類語

ぎかい‐の‐そう【擬階奏】

  1. 〘 名詞 〙 ( 加階を擬議する奏の意 ) 平安時代、二月一一日の列見で六位以下八位以上に叙することに決定した者の名簿式部省兵部省から太政官に提出し、これを検討して奏上する儀式。四月七日に行なわれる。《 季語・夏 》 〔内裏式(833)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「擬階奏」の意味・わかりやすい解説

擬階奏 (ぎかいのそう)

令制下級官人の位階授与手続の一つ。毎年4月7日を式日とする。諸司官人の六位以下に叙すべき者は,1年間(8月1日より翌年7月末日まで)の勤務成績を考査し,その翌年2月11日の列見れつけん)を経て,成選人(叙位の資格を認められた人)の位階を擬定し,4月7日,そのうちの内八位以上(五位以上の勅授,外八位以下の判授に対し,奏授という)の名簿を奏上する。これを擬階奏という。平安時代の儀式書によると,当日大臣公卿を率いて紫宸殿に参上し,あらかじめ式部・兵部2省から太政官に提出された擬階簿により勘造した擬階の奏文を天皇に奏上し,ついで式部・兵部2省がそれぞれ列見の際の成選短冊(たんざく)を奏覧する。ついで4月15日,各人に位記を授けて,この一連の手続は完了する。
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