〈れけん〉ともいう。日本古代の令制下級官人の位階授与の手続の一つ。毎年2月11日を式日とする。令制諸司官人の六位以下に叙すべきものは,それぞれ本司において1年間(8月1日より翌年7月末日まで)の勤務成績を考査し,式部省または兵部省に考文を提出する。式・兵二省は諸司の考文を検査して叙位すべきものを選定し,2月11日,その主典以上の成選人を太政官に召集して,大臣以下公卿が見閲する。これを列見という。《儀式》《延喜式》の制によると,当日弁官の南門内に座を設け,式・兵二省の輔が成選人を率いて参入する。大臣は成選人の技能・容儀を点検し,擬階の適否を査定する。その後,4月7日の擬階奏を経て,各人に位記が授与され,一連の手続は完了する。列見は8月11日の定考(こうじよう)と並んで官中の二大行事とされ,その儀の饗饌と禄物は太政官厨家が弁備したが,平安末期には,近江国細江保が列見定考料所に充てられて料物を調進した。
執筆者:橋本 義彦
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…式・兵二省は諸司の考文を検査して叙位すべきものを選定し,2月11日,その主典以上の成選人を太政官に召集して,大臣以下公卿が見閲する。これを列見という。《儀式》《延喜式》の制によると,当日弁官の南門内に座を設け,式・兵二省の輔が成選人を率いて参入する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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