擲弾筒(読み)テキダントウ

デジタル大辞泉 「擲弾筒」の意味・読み・例文・類語

てきだん‐とう【×擲弾筒】

擲弾を発射する携帯用の小型火器。

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精選版 日本国語大辞典 「擲弾筒」の意味・読み・例文・類語

てきだん‐とう【擲弾筒】

  1. 〘 名詞 〙 歩兵用携帯火器の一つ手榴弾よりもやや威力の大きい小型爆弾の射撃や、信号弾照明弾などを発射するためのもの。口径五〇ミリメートル、重量五キログラム、最大射程距離六五〇メートル。〔歩兵操典(1928)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「擲弾筒」の意味・わかりやすい解説

擲弾筒
てきだんとう

迫撃砲より威力の小さい榴弾(りゅうだん)または手榴弾を発射する簡単な歩兵用携帯火器。放物線の曲射弾道をもつので、建物の陰、塹壕(ざんごう)の中からでも発射できた旧日本陸軍独特の小型火器である。口径50ミリ。左手で筒を地表に対して45度の角度に保ちながら目標の方向に向け、右手で弾丸を筒口から込め引き金を引いて発射する。射距離は目測で判定し、筒底部の転輪を回して発射ガス漏孔(ろうこう)の大きさを加減(十年式)、または筒底薬室の容積を変更(八九式)して射程を調整する。最大射程は650メートル。弾丸は砲弾を小型にした形で薬莢(やっきょう)はなく、弾体内に炸薬(さくやく)と装薬が詰められ、頭部に信管がある。弾底部の雷管の周囲に小穴があり、装薬ガスによって発射される。装薬室を組み合わせた十年式および九一式手榴弾も発射できた。

[小橋良夫]

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