夜間における目標地域の照明または信号用として使用される弾薬。戦術的には,指揮・統制,監視・観測,写真撮影,射撃・爆撃地域など目標地域の暴露,航空機の着陸や空挺部隊の降下地域の照明など,各種の目的に用いられる。照明弾は,航空機,火砲,ロケットなどから投下または発射される。火砲用の照明弾は,一般に放出薬,照明筒,パラシュート,時限信管などからなる。時限信管の作用により,所望の高度において放出薬に点火,この放出薬のガス圧力により弾底が開いてパラシュート付きの照明筒を空中に放出すると同時に照明剤に点火し,照明筒が燃焼しながら約10m/sの速度で降下する。口径155mm級の照明弾は,約100万cdの明るさで約1分間,半径約1.5kmの地域を照明する。照明弾は第1次大戦に入って夜間戦闘のために本格的に使われるようになった。太平洋戦争においてアメリカ軍は,サイパン,グアム,硫黄島上陸に際し,日本軍の夜間逆襲に備えて艦艇から終夜,照明弾を打ち上げたことは有名である。
執筆者:津村 秀一郎
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大砲やロケット発射筒、信号拳銃(けんじゅう)等から発射し、または航空機から投下して、照明する発光弾丸。夜間の攻撃や目標確認、写真偵察、航空機の着陸誘導などに使う。照明剤には、マグネシウムや、アルミニウム粉に硝酸バリウムなどを加えたものを使う。光度は数万燭光(しょっこう)に及び、落下傘で滞空時間を増す。
[青木謙知]
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…これら構成部品の組みつけ,発射薬量の加減,装塡要領などによって,固定弾,半固定弾,分離装塡弾などに分けられる。実戦用には,榴弾,対戦車榴弾,粘着榴弾,徹甲弾,発煙弾,照明弾などがあり,訓練用には,空包,演習弾,擬製弾などがある。
[爆薬の発展]
ヨーロッパでは14世紀前半ころには黒色火薬が製造されるようになり,15世紀に入ってから,金属溶解法などの進歩に伴って青銅製の一体砲身が生まれ,錬鉄を鍛造した弾丸,次いで鋳鉄製の弾丸が生まれて石の弾丸にとってかわった。…
※「照明弾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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