(読み)くすぐり

精選版 日本国語大辞典 「擽」の意味・読み・例文・類語

くすぐり【擽】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「くすぐる(擽)」の連用形名詞化 )
  2. くすぐること。
    1. [初出の実例]「くすぐりに懸った其の手頭(てさき)を払らひ除けて」(出典浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  3. 演芸文章などで、観客読者をことさらに笑わせ、また、喜ばせようとすること。
    1. [初出の実例]「歌も話しも、割りによく分るのでうれしかったが、それがあんまりつまらないくすぐりばかりなので」(出典:日本脱出記(1923)〈大杉栄〉パリの便所)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「擽」の読み・字形・画数・意味


18画

[字音] リャク・ヤク
[字訓] うつ

[字形] 形声
声符は樂(楽)(らく)。樂に轢(れき)・(薬)(やく)の声がある。〔広雅、釈詁三〕に「つなり」、〔玉〕に「舒(の)ぶるなり、(かす)めるなり」の訓がある。

[訓義]
1. うつ。
2. のべる、かすめる、こえる。
3. 堅い石のさま。
4. 国語で、こそぐるの意。

[古辞書の訓]
名義抄〕擽 カキナラス・アヤツル・ウツ・コソクル 〔立〕擽 カキナラス・ヲソク・コソクル 〔字鏡集〕擽 アヤツル・スル・ハラフ・コソクル・カキナラス・ノブ・ウツ

[熟語]
擽合・擽然擽搏・擽

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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