精選版 日本国語大辞典 「擽」の意味・読み・例文・類語
くすぐった・い【擽】
〘形口〙 くすぐった・し 〘形ク〙
※洒落本・当世左様候(1776)「ヲヲくすぐってェわな」
② ほめられたりして、きまりがわるい。てれくさい。
③ 物足りない。
くすぐった‐が・る
〘自ラ五(四)〙
くすぐった‐げ
〘形動〙
くすぐった‐さ
〘名〙
くすぐ・る【擽】
〘他ラ五(四)〙
① 皮膚の敏感な部分に軽く触れて刺激し、むずむずした、こそばゆい感じを起こさせる。こそぐる。〔名語記(1275)〕
② 風などが軽く当たる。
※化銀杏(1896)〈泉鏡花〉五「(まあ! お貞さん。旦那様は飛だ御親切なお方だねえ)サ酷く擽(クスグ)ったもんだらうじゃあないかえ」
④ 人の心に働きかけていい気持にさせる。
くすぐり【擽】
① くすぐること。
こそぐった・い【擽】
〘形口〙 くすぐったい。こそばゆい。こそばい。
※洒落本・郭中奇譚(1769)弄花巵言「こそぐったい、はなせはなせ」
こそぐった‐さ
〘名〙
こそぐ・る【擽】
〘他ラ四〙 指先などで皮膚の一部を刺激して、くすぐったい感覚を起こさせる。また、おかしい事をいったり、おだてるような事をいったりして、くすぐったい思いを起こさせる。くすぐる。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※虎明本狂言・仁王(室町末‐近世初)「あまりふしんなほどに、こそぐってみう」
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