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改正・生活保護法 かいせい・せいかつほごほう

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知恵蔵2015の解説

改正・生活保護法

生活保護法の一部を改正する法律。生活保護費の不正受給や受給者増加などに対応するとして、2013年12月に生活困窮者自立支援法と共に成立した。施行は14年7月1日から(一部は14年1月1日より)。
生活保護法は、日本国憲法第25条の規定する生存権に基づき1950年5月に制定。今回は施行後最大の制度改正と言われ、制度申請時の手続きの変更と扶養義務の強化が特徴。厚生労働省は改正に当たって「必要な人には確実に保護を実施するという基本的な考え方を維持しつつ、今後とも生活保護制度が国民の信頼に応えられるよう、就労による自立の促進、不正受給対策の強化、医療扶助の適正化等を行うための所要の措置を講ずる」としている。主な改正内容は、次の四つ。(1)生活保護からの脱却直後の生活を支え再度保護に至ることを防止する。このため、受給中の就労収入の一部を仮想的に積み立て、脱却時に支給する就労自立給付金を創設する。(2)受給者自ら健康の保持や増進に努め、収入や支出などの状況把握を責務とする。福祉事務所は助言指導や調査権限を強化し、健康診査結果を入手したり家計簿の作成を求めたりする。(3)不正・不適正受給対策の強化のための福祉事務所の調査権限を拡大、罰則を引き上げる。関係官公署には福祉事務所の求める情報提供に回答を義務付ける。(4)医療扶助の適正化のために指定医療機関制度などを見直す。
生活保護申請時の手続きの変更、扶養義務の強化について、関係識者らは強い懸念を示している。改正により「申請書」と「必要書類の添付」が求められるが、現実には困窮者ほど書類をそろえるのが困難ではないか、などの意見がある。また、扶養義務の強化で申請者の親族などの収入や資産状況について、関係官公署の報告が求められる。このため、生活保護を受けることを本人が敬遠・断念することにつながらないか、との見解も存在する。これらにより生活保護制度の空洞化が危ぶまれるとの意見もある。

(金谷俊秀  ライター / 2014年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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