教懐(読み)きょうかい

改訂新版 世界大百科事典 「教懐」の意味・わかりやすい解説

教懐 (きょうかい)
生没年:1001-93(長保3-寛治7)

平安後期高野山念仏聖小田原聖人小田原迎接房ともいう。京都の人,出家して興福寺に入り,林懐について学んだが,山城国久世郡小田原の興福寺の別所に移り念仏生活に入った。70歳のとき高野山に入って,毎日両部大法,阿弥陀供養法を修し,大仏頂陀羅尼,阿弥陀大真言を誦した。教懐の周辺には隠遁者が集まり,真言念仏者集団が形成された。死期を悟って不動図像数百体を模写して開眼供養し,衆僧の念仏と奇瑞の内に往生をとげた。後日同法であった維範の往生のとき,教懐が聖衆の一人として来迎したと伝える。教懐の旧跡小田原谷と呼ばれ,高野山念仏聖集団の祖師的存在として尊崇された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 順子 西口

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「教懐」の解説

教懐 きょうかい

1001-1093 平安時代中期-後期の僧。
長保3年生まれ。左近衛(さこんえの)中将藤原教行の子。京都の人。奈良興福寺で法相(ほっそう)をまなび,山城(京都府)小田原に隠棲(いんせい)。70歳のころ高野山にのぼり,20年余り両界法を修練し,阿弥陀真言をとなえることを日課にして,のちに高野聖(ひじり)の祖とあおがれた。寛治(かんじ)7年5月28日93歳で往生をとげた。通称は小田原迎接房(ごうしょうぼう),小田原聖。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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