デジタル大辞泉 「散ける」の意味・読み・例文・類語 ばら・ける【▽散ける】 [動カ下一][文]ばら・く[カ下二]まとまっていたものがばらばらになる。「髪が―・ける」「練り餌が水中で―・ける」[類語]崩れる・乱れる・潰乱かいらんする・かき乱す・乱す・崩す・破綻 あら・ける【▽散ける/粗ける】 [動カ下一][文]あら・く[カ下二]1 間を離す。ちらばらせる。特に、火や灰などをかき広げる。「ぷすぷすけぶる雑木を大火箸で―・け」〈藤村・千曲川のスケッチ〉2 道や場所をあける。〈日葡〉3 離れ離れになる。ちりぢりになる。「兵三百余人討たれにければ、東西に―・けて」〈太平記・一九〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「散ける」の意味・読み・例文・類語 あら・ける【散・粗】 ( 「粗(あら)」を動詞に活用させたもの )[ 1 ] 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]あら・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙① 離れ離れになる。散り散りになる。ばらばらになる。[初出の実例]「是に、散(アラケ)たる卒(いくさ)更に聚る」(出典:日本書紀(720)舒明九年三月(図書寮本訓))「楚章華(しゃうくゎ)の台をたてて黎民あらけ、秦阿房の殿をおこして、天下みだる」(出典:平家物語(13C前)五)② へだたりがある。相違する。[初出の実例]「大ぶんちがふと云を、あらく」(出典:当世花詞粋仙人(1832))[ 2 ] 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]あら・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙① 道や場所をあける。また、家をあける、留守にする。〔日葡辞書(1603‐04)〕② 間を離す。間隔をおく。ばらばらにする。[初出の実例]「犬のうな毛をいからかし、かにの大づめを、あらけぬるが如し」(出典:真如観(鎌倉初))「そこらはをのさま機転をきかし、間(あひ)をあらけて寝てくだんせ」(出典:浄瑠璃・天鼓(1701頃)二)③ 火、灰などを掻き広げる。[初出の実例]「うけ出し女房、あらけなされと火ばし投(ほ)る」(出典:雑俳・をだまき集(1830‐43)中) ばら・ける【散】 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]ばら・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ばらばらになる。また、髪がばらばらに乱れる。[初出の実例]「落穂とるはらけて今の白髪哉〈楽宇〉」(出典:俳諧・雑談集(1692)上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例