新ひだか(町)(読み)しんひだか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新ひだか(町)」の意味・わかりやすい解説

新ひだか(町)
しんひだか

北海道中南部、日高(ひだか)振興局管内の日高郡にある町。2006年(平成18)、静内(しずない)郡静内町、三石(みついし)郡三石町が合併して成立。日高郡は当町成立に伴って新設。町域の北部から南東部にかけて連なる日高山脈を源とする静内川(古くはシベチャリ川)、三石川などが南流し、太平洋に注ぐ。人口は河川下流部や太平洋沿岸に集中。沿岸部を国道235号が通じる。山間部は日高山脈襟裳(えりも)国定公園の指定域。代表的な産業として軽種馬(競走馬)の生産があげられ、数々の歴史的名馬産出、「競走馬のふるさと」としての伝統を誇る。漁業は「とる漁業」から「育てる漁業」への転換を目ざし、ウニの種苗放流、マツカワ(ガレイ)やハタハタなどの栽培漁業、コンブの漁場造成などに力を入れ、とくに日高昆布は特産品として知られる。豊富な森林資源を生かした木工業も盛ん。シャクシャインの戦いで著名なシャクシャイン(?―1669)は、静内川下流域が本拠地。シャクシャイン像が建つ真歌(まうた)公園には新ひだか町アイヌ民俗資料館やシャクシャイン記念館がある。静内の二十間道路桜並木は、道内有数の桜の名所。1916年(大正5)から3年間をかけ、新冠御料牧場(にいかっぷごりょうぼくじょう)(現在は家畜改良センター新冠牧場)を訪れる皇族などのために造成された7キロメートルの行啓道路(幅20間)の両脇に、エゾヤマザクラなど数千本の桜を近隣の山から移植したのが始まり。ほか、町内には冷泉を利用した静内温泉、温泉の森キャンプ場などの施設がある。蓬莱山(ほうらいさん)公園では例年「みついし蓬莱山まつり」が行われる。16~18世紀のアイヌの遺跡シベチャリ川流域チャシ跡群は、日高町アッペツチャシ跡とあわせて国指定史跡。当町のアイヌ古式舞踊は国指定重要無形民俗文化財。面積1147.55平方キロメートル、人口2万1517(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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