蓬莱山(読み)ほうらいさん(英語表記)Peng-lai-shan

  • (通称)
  • ほうらいのやま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

中国,古代における想像上の神山三神山 (蓬莱方丈,瀛〈えい) の一つ。山東地方の東海中にあり,仙人が住み,不死のをつくっており,宮殿は金玉,白色の鳥獣がおり,玉の木が生えているとされた。しかし,遠く望めばのようであり,近づけばどこへか去って,常人にはいたりえないところという。前4世紀頃から盛んにいわれるようになり,神仙思想原型となった。日本にも伝わって,富士山熊野山,宮城県の金華山などの霊山の呼び名となった。また,熱田神宮を蓬莱と呼ぶこともある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中国古代の戦国時代(前5~前3世紀)、燕(えん)、斉(せい)の国の方士(ほうし)(神仙術を行う人)によって説かれた神仙境の一つ。普通、渤海(ぼっかい)湾中にあるといわれる蓬莱山、方丈(ほうじょう)山、瀛洲(えいしゅう)山の三山(島)を三神山と総称し、ここに仙人が住み、不老不死の神薬があると信じられた。この薬を手に入れようとして、燕、斉の諸王は海上にこの神山を探させ、秦(しん)の始皇帝(しこうてい)が方士の徐福(じょふく)を遣わしたことは有名。三神山中で蓬莱山だけが名高いのはかなり古くからで、漢の武帝(ぶてい)のとき方士の李少君(りしょうくん)が上疏(じょうそ)して蓬莱山について述べ、のちに渤海沿岸に蓬莱城を築いていることからも明らかである。また唐代には蓬莱県が設置され、李白(りはく)、白居易(はくきょい)、杜甫(とほ)、王維(おうい)などの詩人たちによって、蓬莱山が福(ふく)・禄(ろく)・寿(じゅ)の象徴として歌われている。日本でももっぱら蓬莱山のみ詩歌や絵画の題材として用いられ、庭園様式にもみられるのは、おそらく唐代ころの普遍化された蓬莱像がそのまま伝わったためであろう。[山田利明]

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精選版 日本国語大辞典の解説

[1]
[一] =ほうらい(蓬莱)(一)(一)
※大鏡(12C前)三「海賦に蓬莱山・手長・足長、金してまかせたまへりし」
[二] 富士山の異称。
[三] 宮城県の金華山の異称。
[四] 江戸城の異称。
※雑俳・柳多留‐五九(1812)「不二山も蓬莱山も橋で見へ」
[五] 幸若舞「浜出(はまいで)」の別名
[2] 〘名〙
※御堂関白記‐長和四年(1015)四月七日「作蓬莱山、居瑠璃壺・盃等
※浮世草子・好色二代男(1684)一「餝おかせし蓬莱山(ホウライサン)の、北の洲崎の海老の髭に」
③ 池坊流の花器の一つ。花器の上皿をあげると、中の水入の外部が蓑亀の尾部のようになる、亀甲形の模様をつけたもの。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
元禄7.1(江戸・松平大和守邸)
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
曾我蓬莱山
初演
享保5.1(大坂・嵐座)

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