新増犬筑波集(読み)シンゾウイヌツクバシュウ

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精選版 日本国語大辞典 「新増犬筑波集」の意味・読み・例文・類語

しんぞういぬつくばしゅうシンゾウいぬつくばシフ【新増犬筑波集】

  1. 俳諧論書。二冊。松永貞徳著。寛永二〇年(一六四三)刊。上巻を「油糟」、下巻を「淀川」と称する。「油糟」では、「犬筑波集」の前句付句を数句あるいは十数句付けなおし、「淀川」では、「犬筑波集」の付合批判しながら、その付合にみずからの句を三句目に付け足し、かつその付け心を自解している。全体として一六世紀の「犬筑波集」の作風の古さを批判し、寛永の新風のあるべきさまを示したもの。「犬筑波集」の句風にくらべ、一句の意味が通り、おだやかな句作りになってきているが、自由奔放な生気が消失している。

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改訂新版 世界大百科事典 「新増犬筑波集」の意味・わかりやすい解説

新増犬筑波集 (しんぞういぬつくばしゅう)

俳諧論書。貞徳著。1643年(寛永20)刊。上巻〈油糟(あぶらかす)〉と下巻〈淀川〉の2部から成る。上巻では《犬筑波集》の前句に複数の自句を付け,下巻では〈俳言(はいごん)無し〉〈正体無し〉など同集の付合(つけあい)を批判,第三の自句を付け足しその付心(つけごころ)を説明するなど,中世の蕪雑な俳風を革新して,俳諧の文学的確立を期した。結果としては《犬筑波集》に見られた生気をなくし,上品さが強調されている。
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