付合(読み)つけあい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

付合
つけあい

連歌,俳諧の用語。 (1) 連歌,俳諧で,5・7・5の長句に対して7・7の短句を,または7・7の短句に対して5・7・5の長句を付け合せること。またはそのようにして付け合された2句一組のこと。その先行する句を前句 (まえく) ,あとの句を付句 (つけく) という。付け方により,心付 (こころづけ) ,物付 (ものづけ) ,詞付 (ことばづけ) ,匂付 (においづけ) などさまざまの名がある。 (2) 付句のなかの物とか詞とかが,前句のなかの物とか詞とかに一読して関係のあることがわかるもの。たとえば松に鶴,柳に燕のように詩歌,故事,伝説などによって連想されるものなど。

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デジタル大辞泉の解説

つけ‐あい〔‐あひ〕【付合】

連歌・俳諧で、五・七・五の長句と七・七の短句を付け合わせること。先に出される句を前句、これに付ける句を付句という。
1で、前句と付句を関係づける契機となる語句。寄合(よりあい)よりも広く、素材・用語のほか、情趣・心情などを含む。

ふ‐ごう〔‐ガフ〕【付合/附合】

くっつけること。つけあわせること。
異なった所有者に属する2個以上の物が結合し、分離されると経済上著しく不利益をもたらすため、1個の物と認められること。動産不動産の付合の場合は原則として不動産の所有者が、動産どうしの付合の場合は主たる動産の所有者が所有権を取得する。

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世界大百科事典 第2版の解説

つけあい【付合】

連歌・俳諧用語。〈寄合(よりあい)〉と同義に用いることもあるが,普通には17音節(5・7・5)の長句と14音節(7・7)の短句を,ことば,意味,情趣などを契機として付け合わせたもの,また交互に付け連ねることをいう。付合の集積によって成立した連句文芸では,発句(ほつく)以外の句をすべて付句(つけく)と呼ぶが,2句一章の最小単位では,付けられる句を前句,付ける句を付句と称する。前句が長句,付句が短句の付合は短歌に似るが,前句が独立しつつも蓋然性に富む意味内容をもち,その判断を付句の作者の読みにゆだねるという点で,短歌とはまったく異なる。

ふごう【付合】

法律上,所有者を異にする数個の物が結合され,社会的・経済的にみて新たな一個の物が成立したとみられること。たとえば,A所有地上にBがその所有する種苗を植え付ける,A所有建物につきBが増改築をするなどの場合,不動産に対し動産(種苗,建築材料)が付合したのであり,A所有の宝石または漁船にB所有のプラチナ台または発動機を,こわさなければ分離しえない程度に結合させる場合には,動産と動産が付合したのである。付合が生ずると,複数の物が一個の物となるゆえ当然その所有関係は異なってくる。

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大辞林 第三版の解説

つけあい【付合】

連歌・俳諧で、長句(五七五)・短句(七七)を付け合わせること。また、交互に付け連ねてゆくこと。先に出された句を前句、それに付ける句を付句とよぶ。
の契機となる前句・付句にある言葉の関連性のこと。用語・題材などのほか、情趣・心情などをも含む点で、「寄合よりあい」より広い。 → 寄合

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精選版 日本国語大辞典の解説

くっつき‐あい ‥あひ【付合】

〘名〙 男女が、正式な手続きを踏まないで夫婦になること。また、その夫婦。できあい。できあい夫婦。くされあい。くっつき。くっつきもの。
※人情本・春秋二季種(1844‐61頃)二「くっつき合(アヒ)とは云ものの半七さんを亭主と極てゐる吾のことでございますから」

つき‐あい ‥あひ【付合】

〘名〙
① つきあうこと。互いにつくこと。
※俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)「しらみうつれるきぬきぬの袖 方々のつきあひなりし舟の内〈孝晴〉」
② 人と交わりをもつこと。交際すること。また、行動をともにすること。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※虎明本狂言・口真似(室町末‐近世初)「あの人にはつき合もなひすいきゃう人じゃものを」
③ 人と交わるのに必要な心得。他人との関係の上で守らなければならない義理。
※雑俳・柳多留‐九(1774)「つき合を御ぞんじないと母にいひ」
※洒落本・青楼女庭訓(1823)春「千歳屋はほんのお突(ツキ)あひで、入らっしたうへの事だから」

つき‐あ・う ‥あふ【付合】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 互いにくっつく。両方からくっつく。
② 交わる。交際する。
※羅葡日辞書(1595)「Forum〈略〉ハウバウノ アキビトノ tçuqivǒ(ツキワウ) トコロ」
※通俗古今奇観(1814)四「彼と往来(ツキアフ)ものはすべて大頭児(おほあたま)
③ 行動をともにする。また、仕方なく相手とともに行動する。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「帰り道で胡椒を買はねへきゃアならねへ、おつき合(ヤイ)ナ」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三「野暮をいはないでつきやひたまへ」

つけ‐あい ‥あひ【付合】

〘名〙
① 連歌や俳諧などで句を付ける時の契機とする語句で、前句の中のことば、題材や心情と関係のあるもの。寄合が用語、題材など形式的なものに関係があるのに対して、もっと広く情趣、心情など内容的なものまでをさす。付物(つけもの)
※十問最秘抄(1383)「又、付合は十方より取り寄るべき也、皆人近日一方よりよるやうに見ゆ、しかるべからず」
② 連歌や俳諧や雑俳などで、前句に次の句を付けること。前句に対して付句(つけく)の付け方の意味から前句と付句を総称していう。
※長短抄(1390頃)中「連歌の付合様々也、注するに及ばず」
③ 遊里で、遊女が客のことばや心に相応の挨拶(あいさつ)を返すこと。
※評判記・難波鉦(1680)四「前句付合(ツケアイ)関言葉」

つけ‐あわせ ‥あはせ【付合】

〘名〙
① 他のものを添えること。また、そのもの。特に料理で、主になる魚や肉に添える野菜や、酸味、香味のあるもの。
※怪談乳房榎(1888)〈三遊亭円朝〉一一「折へ詰めてちょっと附合(ツケアハ)せも成丈(なりたけ)腐らぬものを」
② 二つのものをひきくらべ、異同の有無をしらべること。つきあわせ。
③ 取引市場で取引所員が客の売注文と買注文のうち銘柄・期限などが同一のものを組み合わせて、市場に出さずに売買を成立させること。つきあわせ。〔取引所用語字彙(1917)〕

つけ‐あわ・せる ‥あはせる【付合】

〘他サ下一〙 つけあは・す 〘他サ下二〙
① 二つ以上のものを寄せて離れないように合わせる。くっつける。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 関係のあるものを添えあしらう。他のものを並べ加える。配合する。配置する。特に料理で、主となる魚・肉などに、味や香り、栄養などのバランスがよくなるよう、野菜などを添える。
③ 二つのものをひきくらべその間の異同をしらべる。つきあわせる。
④ 連俳で、前の句に付けて次の句をよむ。
※俳諧・聞書七日草(1716‐36頃)「松浦が御息女を盗み、飛鳥井の君などをうばい取たる心ばへも、つくし人のよそほひに便て付合せたるは、船の茶の湯を打たる響なり」
⑤ 取引市場で取引所の会員が、売注文と買注文を組み合わせて取引所を通さず、店頭で売買を成立させる。〔大坂繁花風土記(1814)〕

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