しんぶん‐じゅうらんじょ【新聞縦覧所】
- 〘 名詞 〙 新聞または雑誌を備えつけ、自由に閲覧させた場所。明治五年(一八七二)に篤志家が無料のものを設けたのが始まりといわれるが、しだいに、見料をとり茶を供するものが多くなり、明治中期には女を置いて客を呼び込むようなものも現われた。
- [初出の実例]「横浜の仮名がき魯文さんが、〈略〉窟螻蟻といふ風流な粋な家を拵らへ、来月二日から諸新聞縦覧所を開かれますが」(出典:読売新聞‐明治九年(1876)六月二二日)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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新聞縦覧所
日本の新聞の揺籃期に全国各地に作られた新聞の読書施設.有料のもの,無料のもの,飲食物や解説などのサービスが付くもの,図書や雑誌なども提供するものなど,その経営形態は多様であった.1870年代から設立が始まり,当初は官営のものも存在したが,次第に民営のものが主流を占めるようになった.民営のものには,自由民権派を中心に,政党などが自らの主張を伝える場として設けたものや,営利目的のものなどがあった.新聞の普及とともに次第に衰退し,明治後期には風俗営業主体のものなども出現したが,一部は大正初期まで存続したといわれる.
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の新聞縦覧所の言及
【ミルクホール】より
…明治後期にビヤホールができてから,〈ホール〉という呼称が流行したが,〈ミルクホール〉も日本人がつくった言葉で,東京の学生街から始まったらしい。明治初年に始まる新聞縦覧所の性格をうけつぎ,牛乳を飲む者には新聞・雑誌や官報を無料で閲覧させた。やがてケーキやコーヒー,洋食なども提供するようになり,上下がカステラで中にようかんが入った〈シベリヤ〉という菓子はミルクホール独特のものであった。…
※「新聞縦覧所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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