日本動物誌(読み)ニホンドウブツシ

デジタル大辞泉 「日本動物誌」の意味・読み・例文・類語

にほんどうぶつし【日本動物誌】

《〈ラテンFauna Japonica》江戸時代後期に来日したドイツ人医師・博物学者、シーボルト著作。シーボルトが日本で採取した標本や日本絵師による絵を資料とし、日本の動物分類。全5部を1833年から1850年にかけて分冊刊行

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「日本動物誌」の解説

日本動物誌
にほんどうぶつし

1江戸中期に来日したスウェーデンの植物学者ツンベリが,日本滞在時に調査した動物を記載した小冊子。前編7頁,後編5頁。1822~23年にウプサラで出版。昆虫127種・哺乳類鳥類両生類・魚類・貝類の合計334種の学名目録。新種2種。日本産動物をまとめた最初のもの。「ツュンベリー研究資料」所収。

2江戸後期に日本に滞在したドイツ人医師シーボルトの日本研究三部作の一つで,日本産動物を記載した研究書。1833~50年オランダで出版。哺乳動物・鳥類・爬虫類・魚類・甲殻類の5巻からなるが未完。テンミンクらとの共著で,240に及ぶ新種が記載される。1976年(昭和51)復刻版が刊行された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の日本動物誌の言及

【日本】より

…動・植物のほか文献,記録,民族学的資料など,おびただしい収集資料に加えて,日本人門下生の報告資料,およびシーボルト以前にケンペルツンベリーらが日本について記載した書物も参照して,帰国後本書がまとめられた。《日本植物誌》《日本動物誌》とともに,彼の三部作をなしている。内容は,日本の自然地理学的な記述,日本商館,陸上・海上旅行,民族と国家,1826年(文政9)の江戸参府紀行,日本の歴史・考古学・芸術と学術・宗教・農業・工芸・貿易,日本の隣国と保護国,蝦夷・千島・樺太・黒竜江の情報,琉球諸島の記述等の多岐にわたり,以後の西欧人の日本研究の基礎とされた。…

※「日本動物誌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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