ツンベルク(読み)つんべるく(英語表記)Carl Peter Thunberg

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツンベルク」の意味・わかりやすい解説

ツンベルク
つんべるく
Carl Peter Thunberg
(1743―1828)

スウェーデンの博物学者。スウェーデンのイェンケピングに生まれる。1761年ウプサラ大学に入学、医学と博物学を学ぶ。リンネの指導を受け、1770年医学博士となる。同年デンマークを経てアムステルダム、さらにパリに行く。アムステルダムでリンネの旧友ブルマンJohannes Burman(1707―1780)の知遇を得て、喜望峰や日本へ行く機会をつかんだ。1771年12月オランダ東インド会社の外科医としてオランダを出発し、1772年4月にケープ・タウンに着き、1775年3月ケープ・タウンをたち、バタビアジャカルタ)を経て、8月14日長崎に着く。長崎出島に外科医として滞在、1776年(安永5)12月3日長崎を離れる。オランダに着いたのち、ロンドンを経て、1779年スウェーデンに帰国した。1781年ウプサラ大学員外教授、1784年教授、1785年学長となる。

 日本では、植物の採集に努め、1776年には商館長の江戸参府随行、長崎以外の地での採集の機会を得、江戸では、桂川甫周(かつらがわほしゅう)、中川淳庵(じゅんあん)たちと医学や博物学の知識を交換しあった。帰国後『日本植物誌Flora Japonica(1784)、『日本動物誌Fauna Japonica(1822~1823)、『喜望峰植物誌』Flora Capensis(1804~1823)などの博物誌、『ヨーロッパアジア・アフリカ紀行』Resa uti Europa, Africa, Asia, förråttad Åren 1770―1779(1788~1793)の旅行記を出版した。

[矢部一郎]

『山田珠樹訳注『ツンベルグ日本紀行』(1928・駿南社/オンデマンド版・2005・雄松堂出版)』『『ツュンベリー研究資料』(1953・日本学術会議・日本植物学会)』『木村陽二郎著『日本自然誌の成立』(1974・中央公論社)』

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