関口武(1959)や鈴木秀夫(1966)らによる気候区分法における〈裏日本式気候〉に相当し,漸移帯を中に挟んで,中央脊梁山脈によって太平洋側気候と区分される。太平洋側との大きな違いは冬の雪である。水分の供給源は厳冬でも表面水温が+10℃という対馬海流で,この上にシベリアから寒冷な(海面近くでも-10℃)北西季節風が吹きつけ,ついたての役割をする中央脊梁山脈で強制上昇され,大雪をもたらす。この気候は北海道西部,東北西部,北陸,山陰,九州北部の各地にみられるが,最も典型的なのは北陸地方で,冬の季節風が強いと山雪型,弱いと里雪型となり,豪雪が発生し大損害をもたらすことがある。反面,この大雪は水資源の一つともなっている。春から夏にかけて,日本海に低気圧が発達すると南よりの暖気が山脈越えし,フェーン現象が発生し,高温で乾燥した風のため火災を招きやすい。
執筆者:福岡 義隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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