比較的短い時間に多量に降る雪。「大雪(おおゆき)」よりもさらに多量のものをいうことが多い。多雪地帯では、一夜に1メートル以上の降雪がだいたい豪雪の目安といえる。雪国の人は、これを「ドカ雪」という。また積雪の多い地帯を豪雪地帯という。豪雪地帯対策特別措置法(1962年制定)によると、積雪積算値(毎日の積雪の値をひと冬にわたって積算した値)が5000センチメートル・日以上の地帯ということになる(100センチメートルの積雪が50日あれば、積雪積算値が5000センチメートル・日)。積雪期間の長い寒冷地では最深積雪がそれほど大きくなくてもこの値に達するが、積雪期間の短い地方では最深積雪が大きくないとこの値に達しない。日本の記録は、山岳を除くと、日降雪量は富山県富山市真川の180センチメートル(1947)、最深積雪は長野県下水内(しもみのち)郡森宮野原(もりみやのはら)の785センチメートル(1945)が最高である。なお、山岳では、滋賀県伊吹山(いぶきやま)で日降雪量230センチメートル、最深積雪1182センチメートル(1927)という観測がある。日本の太平洋側と日本海側の年降水量の分布をみると、前者は6月から10月ごろに多いが、後者は降雪のために冬に多く、著しい対照を示している。
昭和の時代に入ってからのおもな豪雪は、1927年(昭和2)の豪雪、第二次世界大戦末期の1945年(昭和20)の豪雪、1963年(昭和38)の「三八(さんぱち)豪雪」、1981年の豪雪などがある。その後、2006年(平成18)に「〇六(ぜろろく)豪雪」とよばれる豪雪が発生している。
豪雪は交通の障害や雪崩(なだれ)による被害を伴うほか、産業や生活に多大の被害を与える。国土の3分の1を占める豪雪地帯の振興は、日本の社会や経済の発展のうえで大きな課題といえる。
[安藤隆夫・饒村 曜]
『国土庁地方振興局編『豪雪地帯の現状と対策――活力と魅力ある雪国づくりに向けて』(1991・大蔵省印刷局)』▽『日本積雪連合編・刊『雪の科学的研究50年の歩み 豪雪譜』(1998)』▽『蓑輪喜作著『山間豪雪地帯に生きる 1960年代新潟県松代町農村労働組合のたたかい』(2003・光陽出版社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これは雪を風流とする暖候地文化に対し,雪国の住民の苦しさを訴えたものである。事実,日本の日本海側一帯は世界有数の豪雪地である。平地で1~2m,山間部で2~3m,所により5mを超える雪が積もる(図1)。…
※「豪雪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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