対馬海峡を通って日本海を流れる海流。対馬暖流ともいう。黒潮の一部が対馬海峡を経て日本海に入り発達したもので,日本海で分岐が見られる。対馬海峡の東水道を通過した流れはほぼ本州北岸に沿って流れる。対馬海峡の西水道を通過した流れは,主として東方に転向して隠岐諸島の北側を経て沿岸を流れるものと合流するが,一部は朝鮮半島東岸に沿って北上し,東鮮暖流となり,やがて東に向かい他の二つの分岐と合流すると考えられている。流速は流軸付近で毎秒50cm程度である。対馬海流はその一部が津軽海峡から太平洋に流入する津軽暖流となり,一部は宗谷海峡からオホーツク海へ抜ける宗谷暖流となるが,残余はサハリンの西岸沖にまで達する。
→海流
執筆者:宮田 元靖
魚種をみると,水平的にはイワシ,アジ,サバ,タイ,タチウオといった南方系の種類とハタハタ,タラ,ズワイガニといった北方系の種類とが共存している海域が,太平洋側に比べて広い。たとえばマサバなどは太平洋側同様,北海道まで分布しているが,太平洋側では三陸沖くらいまでしか分布しないマダラは島根県沖まで分布する。日本海においては,大陸側より日本側(対馬海流域)の方が動物プランクトンの密度が低い。そのためか,日間光合成量が大陸側より少ないにもかかわらず,植物プランクトンの密度が高い。
執筆者:二村 義八朗
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…日本海がいつ,どのようにしてできたかはまだ解明されていないが,海底の構造は大洋と同じ海洋性であり,海洋底拡大説と同じ機構でできたとする証拠が得られつつある。 対馬海峡からは,黒潮の分枝が中国大陸の沿岸水の影響を受けた東シナ海や黄海の水を一部混入し,対馬海流(暖流)となって日本海表層に流入している。この暖流は沿岸水と混合しながら日本列島に沿って北上し,津軽海峡と一部は宗谷海峡から流れ出ている。…
※「対馬海流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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