日本火山帯(読み)にほんかざんたい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本火山帯」の意味・わかりやすい解説

日本火山帯
にほんかざんたい

太平洋を取り囲むように分布する第四紀(過去約260万年間)環太平洋火山帯のうち、日本列島を走る部分を日本火山帯とよぶことがあるが、現在ではほとんど用いられない。日本の活火山は110個ある。日本の火山の分布は、東日本火山帯西日本火山帯の二大火山帯からなる。古くは、千島(ちしま)、那須(なす)、鳥海(ちょうかい)、富士、乗鞍(のりくら)、白山(はくさん)、霧島(きりしま)の各火山帯の名称が用いられたが、現在は地理的分布の意味でしか用いない。東日本・西日本の両火山帯とも、太平洋(海溝)側の縁寄りほど火山が密に分布し、その分布の太平洋側の限界は「火山フロント(前線)」とよばれる。火山フロントから大陸側にいくほど火山の数・噴出量ともに減少し、溶岩化学組成も変化する。フロント沿いではおもに輝石安山岩であるが、大陸寄りの溶岩ほどアルカリ(ナトリウムカリウム)に富む傾向がある。

諏訪 彰・中田節也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の日本火山帯の言及

【火山帯】より

…日本など弧状列島上の火山帯の火山岩は,概して二酸化ケイ素SiO2に富み,特に安山岩や流紋岩が多く,噴火は一般に激しい爆発型で,火山形態は成層火山が多い。 日本列島は環太平洋火山帯の一部で,日本火山帯と呼ばれるが,列島上のどこにも第四紀火山があるのではなく,北海道を東西に横断し,東北地方の西寄りを走り,中部地方の北部から伊豆諸島,硫黄(火山)列島を経てマリアナ諸島へ南下する地帯と,山陰地方から九州を経て南西諸島に至る地帯に分布する。前者は東日本火山帯(または東北日本火山帯),後者は西日本火山帯(または西南日本火山帯)と呼ばれている。…

※「日本火山帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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