日韓関係(読み)にっかんかんけい

共同通信ニュース用語解説 「日韓関係」の解説

日韓関係

韓国で2017年に革新系の文在寅ムン・ジェイン政権が発足後、元徴用工や元従軍慰安婦が原告の複数の損害賠償請求訴訟で日本側の敗訴が確定。日本政府は反発関係が急激に悪化した。19年7月には日本政府が半導体材料輸出規制を強化し韓国で対日感情が悪化、日本製品の不買運動が起きた。韓国では今月10日に保守系の尹錫悦ユン・ソンニョル政権が誕生。尹氏は大統領選で日韓関係改善の重要性を一貫して主張した。林芳正外相は大統領就任式に出席して尹氏と会談し、関係改善への協力で一致した。(共同)

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知恵蔵 「日韓関係」の解説

日韓関係

2004年後半から05年前半にかけて日韓関係は明から暗へと悪化。その状況はその後も変わっていない。韓国のテレビドラマ「冬のソナタ」の爆発的人気に代表されるように、04年日本で韓国文化への関心が劇的に高まった。02年12月19日の韓国大統領選挙では与党新千年民主党の盧武鉉(ノ・ムヒョン)が当選。03年1月14日の小泉首相の靖国神社参拝に際し、韓国政府は深い遺憾の念を示した。2月25日、大統領就任式に出席した小泉首相は盧大統領と会談、金大中(キム・デジュン)元大統領の対北朝鮮路線を継承する盧大統領の方針を支持し、北朝鮮の核問題で日米韓3国が密接に連携することで一致した。盧大統領は6月6〜9日、日本を公式訪問し、宮中晩餐(ばんさん)会、首脳会談、国会演説などをこなした。共同声明を出した首脳会談では、北朝鮮の核問題を平和的に解決することで一致、しかし北朝鮮への対抗措置については微妙な違いをみせた。10月7日、バリ島での日中韓首脳会議で3国共同宣言を発表、8日の日韓首脳会談では第2回6者(6カ国)協議の早期開催などで一致した。しかし、04年1月1日の小泉首相の靖国神社参拝に韓国政府は「深い遺憾」を表明、3月中旬に盧大統領の弾劾決議が可決されたこと(5月14日に憲法裁判所が弾劾審判を棄却)もあり、外交関係は停滞したが、7月21日に小泉首相は済州島(チュジュド)で盧大統領と会談した。04年12月17日鹿児島県指宿市で行われた首脳会談は友好関係を確認し、05年は日韓国交正常化40周年を記念する「日韓友情年2005年」とされ、05年1月13日盧大統領は、天皇の訪韓について「最高の礼遇で歓迎する用意がある」と表明した。しかし2月23日島根県議会に2月22日を「竹島の日」とする条例案が提出されると関係は暗転した。盧大統領が3月1日の「3・1独立運動」記念式典で日本の「過去への取り組み」に言及し、3月16日島根県議会が「竹島の日」の条例を可決すると、直ちに韓国国内で反発が高まった。翌17日韓国政府は、竹島(韓国名独島<ドクト>)問題、歴史教科書問題に「断固対処する」などの新方針を公表、23日には盧大統領は「侵略と支配の歴史を正当化し、再び覇権主義を貫徹しようとする意図を見過ごすわけにはいかない」という日本を批判する談話を公表した。6月20、21日ソウルで日韓首脳会談が開催されたものの、中心となったのは靖国参拝などの歴史問題であり、寒々とした関係を露呈するものとなった。11月釜山で開催されたAPEC首脳会議に際して小泉首相が訪韓したが、事態は改善されなかった。 06年10月、安倍首相は中国訪問の帰途、韓国を訪問した。しかし盧大統領の対日姿勢は硬く、日韓関係は停滞したままであった。07年12月、韓国の大統領選で李明博(イ・ミョンバク)氏が当選し、対日関係の改善に前向きの姿勢を見せており、今後の動きが注目される。

(高橋進 東京大学大学院法学政治学研究科教授 / 2008年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日韓関係」の意味・わかりやすい解説

日韓関係
にっかんかんけい

日本と韓国(大韓民国)との関係。第二次世界大戦終結前後の複雑な国際情勢のもと、朝鮮半島は北緯38度線を境として南北に分断され、1948年8月南側に韓国が成立した。「日韓関係」は、この韓国と日本との、同国成立以来現在に至る関係を意味するが、この関係については「日本と朝鮮半島との関係(第二次世界大戦後)」の項目で詳述するので同項目を参照されたい。

 なお、日本と朝鮮との関係のうち、古代から日本の明治時代に至るまでは「日朝交渉史」の項目を、また、1910年の日本による「韓国併合」から第二次世界大戦の日本の敗戦による朝鮮解放・独立までは「朝鮮史」の項目を参照されたい。

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