ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「早稲田小劇場」の意味・わかりやすい解説
早稲田小劇場
わせだしょうげきじょう
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…その一方,唐(から)十郎(1940‐ )らの〈状況劇場〉が63年に結成され,67年に紅(あか)テント劇場の活動を開始した。1966年には,東京早稲田の喫茶店2階の小空間をけいこ場兼用の小劇場とする鈴木忠志(ただし)(1939‐ )らの〈早稲田小劇場〉が結成され,佐藤信,串田和美らの〈自由劇場〉(正式名称は〈アンダーグラウンド自由劇場〉)も同年活動を始めた。翌67年には,寺山修司(1935‐83)らが〈天井桟敷(てんじようさじき)〉(正式名称は〈演劇実験室天井桟敷〉)を創設,さらに68年に蜷川幸雄らの〈現代人劇場〉が結成された。…
… まず,唐十郎(1940‐ )の〈状況劇場〉は63年に結成されていたが,その活動が決定的に注目されたのは,67年夏の東京新宿の花園神社境内における紅(あか)テント公演《腰巻お仙義理人情いろはにほへと篇》であった。唐の芝居は,当初ジャーナリズムにおける社会的な〈事件〉としての扱いの方が先行する気味があったが,以降,《少女仮面》(1969,早稲田小劇場初演),《吸血姫》(1971),そしてのちの《下谷万年町(したやまんねんちよう)物語》(1981)にいたるまで,数多くの好戯曲を執筆し,また〈状況劇場〉の演出家兼中心俳優として活発な活動を行ってきた。唐の芝居の特徴をひと言でいえば,自分が育った敗戦直後の東京下町や,少年期に親しんだであろう大衆的な読物などの記憶を下敷きにして,その上に形成された〈暗い情念の夢の劇〉とでもいうべきものであろう。…
※「早稲田小劇場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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