春の曲(読み)はるのきょく

精選版 日本国語大辞典 「春の曲」の意味・読み・例文・類語

はるのきょく【春の曲】

  1. 箏曲嘉永安政一八四八‐六〇)頃、名古屋吉沢検校作曲した古今組一つ。「古今和歌集」春の部からとった和歌六首に作曲。明治中期京都の松坂春栄がはでな手事を作って挿入したものが一般に行なわれている。

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改訂新版 世界大百科事典 「春の曲」の意味・わかりやすい解説

春の曲 (はるのきょく)

箏曲の曲名吉沢検校作曲の古今組。手事および替手は松阪春栄(まつさかはるえ)(1854-1920)が補作吉沢が組歌を復活させるため新しい箏組歌をめざして作曲。歌詞は《古今和歌集》春の部から6首の和歌を選んで,その配列順に従って使用。初鶯早春から老鶯晩春までの推移情景が音楽的に表現されている。松阪の手事補入によって,いっそう有名となる。
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世界大百科事典(旧版)内の春の曲の言及

【宮城道雄】より

…その社中はのち51年に宮城会として組織され,現在も生田流箏曲界の一大会派として存続する。33年に来日したバイオリン奏者シュメが宮城の《春の海》を編曲して彼と合奏し,そのレコードが国内外で好評を博した。48年芸術院会員,53年フランスとスペインで催された国際民族音楽舞踊祭に日本代表として参加,イギリスにも遊び各国で演奏して好評を博した。…

※「春の曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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