日本大百科全書(ニッポニカ) 「昭和万葉集」の意味・わかりやすい解説
昭和万葉集
しょうわまんようしゅう
歌集。20巻、別巻1。1979年(昭和54)2月から1980年12月にかけて講談社から刊行。編集顧問に土屋文明(ぶんめい)、土岐善麿(ときぜんまろ)、松村英一(えいいち)、選者には木俣修(きまたおさむ)、窪田章一郎(くぼたしょういちろう)、佐藤佐太郎(さたろう)ら9名。昭和1年から半世紀にわたる激動の時代につくられた短歌を、時代を追って分類、配列した一大アンソロジー。収録歌は結社所属歌人からばかりでなく、広く一般から職業、年齢、有名無名を問わず求め、その数およそ8万2000首。戦中、戦後の過酷な時期はもとより、昭和50年間の時代変動とその時々の日本人の生活感情を記録する、いわば庶民の生の声の集大成といった観がある。各巻末に『昭和短歌史概論』、山田宗睦(むねむつ)(1925―2024)著『昭和史私論』、年表を付載。1980年に菊池寛(きくちかん)賞受賞。
[日高堯子]