景気基準日付(読み)けいききじゅんひづけ(その他表記)turning point of business cycle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「景気基準日付」の意味・わかりやすい解説

景気基準日付
けいききじゅんひづけ

景気の山と谷がいつかを確定した日付内閣府(旧経済企画庁)が判定する。1986年(昭和61)12月から始まったバブル経済下の大型景気ピークを迎え、その直後に下降に向かった転換点(山)は、91年(平成3)2月。拡大期間は、第二次世界大戦後最長のいざなぎ景気(57か月)には及ばず、51か月にとどまった。しかし政府の対応は、「景気拡大」から「減速」の判断に改めたのは91年9月、景気対策にのりだしたのは92年3月の緊急経済対策最初平成不況が終わった時点を93年10月と判定したのは94年11月、さらに後退局面に移ったのを97年4月からと判定したのは98年6月。後手後手の状況判断と対策のおくれが批判された。

三条 彰]

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知恵蔵 「景気基準日付」の解説

景気基準日付

景気が後退局面から拡張局面に変わる時を景気の谷あるいは景気の底(trough)、拡張局面から後退局面に変わる時を景気の山(peak)という。景気基準日付とは山と谷が確定された日付のこと。景気動向指数研究会が景気動向指数の中期的な動きを確認、その他の経済指標も考慮し、学術的見地からの検討を加え、判定する。第13循環は、1999年1月(谷)から2000年11月(山)までの拡張期21カ月、それから02年1月(谷)までの後退期14カ月で、全循環は36カ月。第13循環の拡張期22カ月は第8循環の拡張期(1975年3月から77年1月まで)と並び最短である。07年7月現在は第14循環の拡張期に位置し、06年11月には戦後最長の「いざなぎ景気(57カ月)」を超えた。なお、景気動向指数研究会の前身は、旧経済企画庁調査局長の諮問委員会として発足した景気基準日付検討委員会である。

(本庄真 大和総研監査役 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「景気基準日付」の意味・わかりやすい解説

景気基準日付
けいききじゅんひづけ

景気が後退局面から拡張局面に移る境目を景気の「谷」といい,逆に拡大局面から後退局面に移る境目を景気の「山」というが,この山と谷の日付が景気基準日付である。山と谷の確定は,景気動向指数 DI一致指数が通常3ヵ月連続で 50を割込んだときに,その他のさまざまな景気指標を総合的に勘案して,内閣府が判定する。しかし,最終的に景気基準日付が確定するのはほぼ1年後になるため,景気の変り目にはしばしば,景気が「底入れ」して回復局面に入ったのか,まだ下降局面にあるのかといった景気判断で論争が起る。日付自体は景気循環を歴史的に確認するだけで,景気政策のための判断指標としては意味がない。

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