ゆうりしすうのほうそく
有理指数の法則
law of rational facial-indices
R.J.Haüyが1782年に結晶が格子構造をもつことを予期して見いだした法則。結晶は三次元の空間を有するものであるから,その互いに平行でない三つの晶帯軸の方向にx, y, zの3軸をとることができる。そうすると,ある適当な値a, b, cをとることにより,その結晶のすべての結晶面は簡単な整数または分数h, k, lを用いてhx/a+ky/b+lz/c=0のように表現することができる。これは面角の測定の結果得られた経験則である。この際a, b, cはa:b:cの比においてのみ意味をもち,これをその結晶の軸率という。またh, k, lが分数のときは分母の最小公倍数を乗じて整数とすることができるので,簡単な整数比をなすということができて(hkl)のを結晶の面指数という。別な表現をとると,ある結晶に適当な無理数比の軸率a:b:cを与えると,すべての結晶面は簡単な分数m, n, pを用いて各軸をma:nb:pcの比で切るようになる。このm, n, pの逆数をとり通分したものが面指数(hkl)となる。有理指数の法則は晶帯〔uvw〕についても成立し,面指数と晶帯とは相互に交差掛け算によって求めることができる。
執筆者:高野 幸雄
参照項目:ミラー指数
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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法則の辞典
「有理指数の法則」の解説
有理指数の法則【law of rational intercepts,law of rational indices】
結晶内に存在する,互いに平行ではない三稜を座標軸にとったとき,任意の結晶面は適当な係数 A,B,C を選ぶと,Ax+By+Cz=1という式で表現できる.結晶内に存在する最も簡単な面が3本の結晶軸それぞれを切る長さ(すなわち軸率)を a,b,c とすると,上の式は(h/a)x+(k/b)y+(l/c)z=1 のように書き換えられる.このようにすると,h,k,l は常に整数(0も含む)となる.これを,有理指数の法則という.面角不変の法則*,晶帯の法則*とともに結晶学の基本的法則である.ミラーの法則*も参照.
出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
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「有理指数の法則」の意味・わかりやすい解説
有理指数の法則【ゆうりしすうのほうそく】
結晶学の基本法則の一つ。結晶において,基準となる適当なある結晶面を選んで,それが結晶軸を切る切片の比(標軸比)をa:b:cとすれば,他のすべての結晶面の標軸比x:y:zをそれで割った値,すなわちx/a,y/b,z/cをすべて有理数(一般に簡単な整数または無限大)とならしめることができ,またそうなるような基準結晶面が必ず一つ存在するという法則。各結晶系で適当な軸率を選べば面指数が簡単な数値として表現できるのはこの法則による。結晶の面角の測定の結果得られた経験則で,これが成立する理由は結晶の内部構造から説明されている。
→関連項目アウイ
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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有理指数の法則
ゆうりしすうのほうそく
law of rational indices
結晶に対し適当な結晶軸を座標軸とすると,各結晶面のミラー指数が簡単な整数になるという法則。 1782年 R.アユイにより面角一定の法則とともに経験則として見出されたが,結晶内の規則的な原子配列と関連させて理解されている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の有理指数の法則の言及
【結晶】より
…すなわち,結晶形態の考察においては,結晶面を自由に平行移動させて考えてもさしつかえない。
[有理指数の法則]
結晶形態に現れる稜(結晶面の交線)の中で,同一平面上にない任意の3稜を選んで,これらをこの結晶の結晶軸a,b,cと名づけ,結晶形態を記述する座標軸とすることができる。これらの座標軸は一般には一つの斜交座標系を構成する。…
※「有理指数の法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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