木賊色(読み)トクサイロ

デジタル大辞泉 「木賊色」の意味・読み・例文・類語

とくさ‐いろ【木賊色】

染め色の名。黒みを帯びた緑色
かさねの色目の名。表は黒ずんだ青、または萌葱もえぎ、裏は白。老人が着用する。

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精選版 日本国語大辞典 「木賊色」の意味・読み・例文・類語

とくさ‐いろ【木賊色】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 染色の名。緑に黒みをおびた色。とくさ。
    1. [初出の実例]「小羊(ラム)の皮を柔らかに鞣(なめ)して、木賊(トクサイロ)の濃き真中に、水蓮を細く金に描いて」(出典虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一四)
  3. (かさね)色目。表は黒みがかった青、裏は白。老人の着用するもの。とくさ。
    1. [初出の実例]「左衛門尉は、紺葛の袴に、とくさいろの水干に、立烏帽子」(出典:義経記(室町中か)六)

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色名がわかる辞典 「木賊色」の解説

とくさいろ【木賊色】

色名一つ。トクサ科トクサの茎のような濃い色のこと。トクサは多年生の常緑シダ植物で観賞用に植えられた。茎に節ができて竹に似るが大きさは竹より小さい。鎌倉以前からある伝統色名。江戸時代に流行したとされる。茎は硬く、秋に刈り取って乾燥させると刃物を研ぐこともできたため「砥草」とも書く。このことから「木賊刈る」は秋の季語となっている。

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