未得(読み)みとく

精選版 日本国語大辞典 「未得」の意味・読み・例文・類語

み‐とく【未得】

  1. 〘 名詞 〙 まだある物を得ていないこと。また、まだある状態に至り得ていないこと。
    1. [初出の実例]「いまだ空則是色の残る所、若、未得為証にてやあるべき」(出典:遊楽習道風見(1423‐28頃))

みとく【未得】

  1. いしだみとく(石田未得)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「未得」の意味・わかりやすい解説

未得
みとく
(1587/88―1669)

江戸初期の俳人狂歌師石田氏。通称文左衛門(又左衛門とも)。別号は乾堂(けんどう)、巽庵(そんあん)。江戸常盤(ときわ)橋前の両替商。江戸俳諧の草分け的存在で、早くから貞徳(ていとく)に批評を請い、斎藤徳元(とくげん)、高島玄札(げんさつ)、半井卜養(なからいぼくよう)、荒木加友とともに江戸五俳哲と称された。1643年(寛永20)の回文俳諧(はいかい)はとくに有名で、この種の遊戯的俳諧の流行の端緒となった。未得の勢力は江戸のほか関東、東北、北陸、伊勢(いせ)、伊豆などに及んだ。晩年俳書編集を意図し、息子の未琢(みたく)により継承完成されたのが『一本草(ひともとぐさ)』(1669序)である。狂歌にも優れ『古今夷曲(こきんいきょく)集』や『後撰(ごせん)夷曲集』に多く入集、家集に『吾吟我(ごぎんわが)集』がある。

 年の内の春にむまるるみどり子をひとつとやいはんふたつとやいはん
森川 昭]

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改訂新版 世界大百科事典 「未得」の意味・わかりやすい解説

未得 (みとく)
生没年:1587?-1669(天正15?-寛文9)

江戸前期の俳人。姓は石田,通称は又右衛門,別号は未徳,乾堂,巽庵。江戸の人。両替商を営んだがのち剃髪,寛永期(1624-44)の初め貞徳に入門した。徳元,玄札らと共に草創期の江戸俳壇を代表し,五哲の一人にかぞえられた。《謡(うたい)誹諧》《廻文(かいぶん)誹諧》,また《古今和歌集》をもじった狂歌集《吾吟我集(ごぎんわがしゆう)》など,ことば遊びに長じていた。〈風ならで誰かあぐべき柳髪〉(《毛吹草追加》)。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「未得」の解説

未得 みとく

石田未得(いしだ-みとく)

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