改訂新版 世界大百科事典 「末盧国」の意味・わかりやすい解説
末盧国 (まつらこく)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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『魏志(ぎし)』倭人伝(わじんでん)にみえる国。帯方郡(たいほうぐん)から朝鮮半島の最後の国として狗邪韓国(くやかんこく)を通過し、一支国(いきこく)から九州に上陸する経路からいっても、『古事記』の「末羅県(まつらのあがた)」、『日本書紀』の「松浦県(まつらのあがた)」にあたることからも、佐賀県唐津(からつ)市内に比定される。とくに、同市の鎮西町名護屋(ちんぜいまちなごや)にあてる説もある。邪馬台国(やまたいこく)に至る諸国のうちで末盧国にだけは官名の記載がなく、その理由の解し方は論点になっている。「四千余戸は山海にそうて居し、草木は深く茂って前を行く人も見えないほどだが、人々は潜水して好んで魚鰒(ぎょふく)を捕る」と記される。
[門脇禎二]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報