末盧国(読み)まつらこく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

末盧国
まつらこく

魏志倭人伝』に記された北九州の小国。3世紀頃,のちの肥前国松浦郡 (佐賀県唐津市付近) にあったとみられる。四千余戸があり,漁業に従事したという。『古事記』には末羅県 (あがた) ,『日本書紀』『肥前国風土記』『万葉集』には松浦県とみえ,古代北九州の要地であった。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

末盧国

まつらこく」とも読む。中国の史書「魏志倭人伝」にある弥生時代のクニの一つ。「半島の海岸沿いに航行し……対馬国から一支(壱岐)、末盧……投馬国をへて、南の邪馬台国に到着する」と、九州本土では最初に登場する。

(2007-11-21 朝日新聞 夕刊 2社会)

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世界大百科事典 第2版の解説

まつらこく【末盧国】

3世紀の邪馬台国時代の倭国の中の小国の一つ。《古事記》仲哀天皇段にみえる末羅県(まつらのあがた),《日本書紀》神功皇后摂政前紀にみえる松浦県・梅豆羅国と同所。後の肥前国松浦(まつら)郡(佐賀県東松浦郡など)の地。《魏志倭人伝》には,一支国より海を1000余里渡ると末盧国に達し,戸数は4000余戸,山海に沿って人々は暮らし,魚や鰒(あわび)を海中に潜って捕らえているとある。また前を歩く人が見えないくらい草木が繁茂しているとも記す。

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大辞林 第三版の解説

まつらこく【末盧国】

「魏志倭人伝」にみえる国。一支国と伊都国の間で、佐賀県松浦地方の玄海灘に面した唐津周辺と考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

末盧国
まつらこく

『魏志(ぎし)』倭人伝(わじんでん)にみえる国。帯方郡(たいほうぐん)から朝鮮半島の最後の国として狗邪韓国(くやかんこく)を通過し、一支国(いきこく)から九州に上陸する経路からいっても、『古事記』の「末羅県(まつらのあがた)」、『日本書紀』の「松浦県(まつらのあがた)」にあたることからも、佐賀県唐津(からつ)市内に比定される。とくに、同市の鎮西町名護屋(ちんぜいまちなごや)にあてる説もある。邪馬台国(やまたいこく)に至る諸国のうちで末盧国にだけは官名の記載がなく、その理由の解し方は論点になっている。「四千余戸は山海にそうて居し、草木は深く茂って前を行く人も見えないほどだが、人々は潜水して好んで魚鰒(ぎょふく)を捕る」と記される。[門脇二]

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