本間一夫(読み)ほんまかずお(その他表記)Honma Kazuo

図書館情報学用語辞典 第5版 「本間一夫」の解説

本間一夫

1915(大正4)-2003(平成15).北海道増毛町出身.日本点字図書館の創設者.5歳で病気のため失明し,函館盲唖院入学後に点字習得.関西学院文学部専門部英文科(現 関西学院大学)を卒業後,点字月刊誌『点字倶楽部』の編集責任者を経て,1940(昭和15)年に私財で日本盲人図書館を創立.社会教育家・後藤静香(1884-1971)が提唱した点訳奉仕運動の支援を受けて蔵書を増加させ,点字図書の無料貸出を行う.戦時中は疎開しながら貸出を継続した.1948(昭和23年)に日本点字図書館と改称して東京で再開,1955(昭和30)年には点字図書の作成と貸出が厚生省の委託事業となる.1978(昭和53)年に同館理事長に就任録音資料の製作と貸出や点訳奉仕者等の育成も手がけ,点字図書館界の発展を牽引した.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

20世紀日本人名事典 「本間一夫」の解説

本間 一夫
ホンマ カズオ

昭和・平成期の福祉活動家 日本点字図書館創設者。



生年
大正4(1915)年10月7日

没年
平成15(2003)年8月1日

出生地
北海道増毛郡増毛町

学歴〔年〕
関西学院大学専門部英文科〔昭和14年〕卒

主な受賞名〔年〕
朝日賞(社会奉仕賞 昭27年度)〔昭和28年〕,ヘレン・ケラー教育賞〔昭和37年〕,点字毎日文化賞〔昭和42年〕,藍綬褒章〔昭和46年〕,吉川英治文化賞〔昭和52年〕,博報賞〔昭和56年〕,毎日社会福祉顕彰〔昭和57年〕,勲四等旭日小綬章〔昭和60年〕,増毛町開基記念賞,図書館サポートフォーラム賞(第2回)〔平成11年〕,井上靖文化賞(第10回)〔平成14年〕

経歴
5歳のとき病のため失明。昭和15年私費を投じ日本初の点字図書館・日本盲人図書館(現・日本点字図書館)を開設。平成3年まで館長をつとめ、点字図書15万冊、録音図書40万冊までに拡充した。昭和27年図書館が社会福祉法人になると53年理事長、平成13年会長に就任。著書に「指と耳で読む」「点訳のしおり」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「本間一夫」の解説

本間一夫 ほんま-かずお

1915-2003 昭和-平成時代の福祉活動家。
大正4年10月7日生まれ。5歳のとき失明。昭和15年自身の蔵書をもとに日本初の点字図書館を東京にひらく。点字学習の指導や点訳者の育成につとめ,点字図書,テープ図書の貸し出し,盲人用生活器具の開発や普及につくす。52年吉川英治文化賞。平成15年8月1日死去。87歳。北海道出身。関西学院大卒。著作に「指と耳で読む」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の本間一夫の言及

【点字図書館】より

…一般図書館が図書館法により教育行政のもとにあるのに対し,点字図書館は身体障害者福祉法による更生援護施設であり,その経営・業務内容は大きく異なる。現在日本には大小約90の点字図書館(公立約70)があるが,そのうち最も規模の大きい東京の日本点字図書館は1940年全盲の本間一夫が自己の蔵書を元に創立した民間の社会福祉施設であり,点字図書5万9000冊,2万4900点,録音図書42万8000巻,1万1710点(1997現在)を所蔵している。一般図書館が購入図書の館内閲覧を主業務とするのに対し,おもな点字図書館は点字出版所を兼ねるとともに,点訳・朗読奉仕者を養成して点字・録音図書を作製し,読者への館外郵送貸出しを行う。…

※「本間一夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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